評価:★★★★☆ 4.1
自殺大国日本、今ここに若くして命を絶とうとしている若者がいます。
物語の主人公、高校2年生「如月稜太(きさらぎりょうた)」
彼は日々に絶望し、小説の主人公の様に転生し楽しく愉快に生きる事を望みます。
生きるために死を選択する。
そんな矛盾を選択した稜太に与えられた「強くてNewGame」への挑戦権。
彼は無事蘇ることは出来るのでしょうか?
話数:全60話
時代:未登録
舞台:学園
雰囲気:未登録
展開:ハッピーエンド
注意:全年齢対象
まずは、無事完結おめでとうございます。この物語を読んで、主人公を通して過去の自分に置き換え、人との繋がりについて考えさせられました。苛める側にとってそれはいとも簡単なことであり、集団心理が根付いている昨今の学園生活や職場に置いて、苛められる側が悪いとさえ言う教師や親や上司がいます。仲良くすればいいと簡単に言う人もいるかもしれませんが、一度他人から傷つけられた人間は、人とのつながりを渇望しつつもそう易々と人を信じることはできません。苛めた側が忘れている行為でも、苛められた側は忘れられないのです。この物語は、復讐することでそう言う事を教えてくれる。もしこのレビューを見て下さる方がいるのであれば、是非この物語を読み自身の周りにこれを読んでと教えてあげて欲しいです。拙い文章で、上手くお伝えできませんが、素晴らしい作品なのでレビューを書かせて頂きました。
何も取り柄の無い落ちこぼれでいじめられっ子の如月 稜太(きさらぎ りょうた)は、飛び降り自殺をする。 そして死神メイに出会い、こう切り出される。「名付けて《強くてNewGame》!! 挑戦する??」 1年間に10人呪い殺せば、蘇らせてもらえる、という提案に乗る事にしました。その際にいくつかのスキルもつけてもらいます。 ここから、稜太の復讐劇が始まるのでした……。 呪殺する側の稜太を初め、狙われる側の登場人物の心理描写がハイレベルでした。リアルで鮮明に描かれていて、まるでホラー系ヒューマンドラマの様です。 そして、ターゲットが一人、また一人ずつ消えていく……。 連鎖的に呪殺されていくターゲット達。次第に広がっていく不安と、恐怖感が元クラスメイト達に浸透していきます。 クオリティが高く、ホラー系好きの方にはイチ押しの作品です。ぜひ、ご覧になって下さいね。
主人公如月稜太は、あまりの能力の低さと、そのせいで中学の頃からいじめにあっていた現在の境遇から逃れたくなり、また、本好きが高じて異世界に転生できるかも、という妄想も働いた事で自殺する。が、当然異世界などいけるわけもない。しかしながら、死後の様子はそれとはまた違った不思議な状況だった。メイと名乗る死神? による、期限までに指定された人数を呪い殺せば再びやり直せるという提案。稜太は復習ができる事もあり提案に乗る。最も、そうでなければ地獄堕ちだったという事もあるのだが。稜太はアイテムを駆使し、呪いによっていじめっ子を追い詰める。目に見えない怪奇現象に恐怖し慄くいじめっ子達。ドキドキハラハラしながらもどこか爽快に感じるのは、稜太の心情を反映しているからでしょうか。いじめられっ子が死後呪いで復讐するという一風変わった物語。今後の展開も気になる良作です。
物語は、いじめを苦に主人公が自殺するシーンから始まります。無事(?)自殺を果たした主人公の目の前に現れたのは、異世界への門ではなく、死神の少女。少女は言います。「あなたが10人呪い殺すことに成功したら特典を付けて蘇らせてあげる」。「名付けて『強くてNewGame』!! 挑戦する??」主人公は迷った末望みを叶えるため、いじめた奴らに復讐するため、自らが悪霊になる事を選択する…。まずタイトルとのギャップ。一見するとよくある異世界転生ものかと思いきや、ジャンル設定を裏切らぬホラー展開。主人公は悪霊側だけど(笑展開も主人公目線と襲われる側の目線をそれぞれ描写し、主人公目線ではある種の爽快感が、襲われる側の目線ではおどろおどろしいホラーが展開されます。一つの話で二度おいしい作品になっております。連載も現在15話と一気に読むのにちょうどよい長さ。読むなら今!
まず本作はホラー小説です。タイトルを読むと、よくある異世界転生物語に見えますが、「スマホによる呪殺」を軸に物語は展開していきます。主人公はチート能力を持っていますので、ある意味での無双していく展開に対して、このタイトルのつけ方は間違っていません。ただし、何度も言いますが、本作はホラー小説です。ライトな文章が読みやすいため、気軽に読み進めてしまうと、予想していなかった恐怖を味わうことになります。淡々とキャラが死んでいくんです。主人公の復讐なのでスッキリする部分もあるのですが、殺されるキャラの心理も書かれているので、読者は殺される側の気分も体験することになります。今後もクラスメイトを殺すために、どうやって恐怖を募っていくのか。10人殺すルールであるが、自殺の原因となったいじめっ子は10人もいるのか。人を殺しておいて順調にハッピーエンドに辿り着けるのか。気をつけてください。