評価:★★★★☆ 4.2
魔物の一種である樹人(トレント)として異世界に放り出された雪乃。人間に見つかれば討伐されてしまうにもかかわらず、薬草コンプリートを目指して森から旅立つ。
旅の途中で出会ったのは怪しい魔法使い。利害が一致したことで同行することになったが、なぜか娘として溺愛され、比例するように変人と化していく「おとーさん」に困惑しながら旅を続けるのだった。
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ぶかぶかのローブに身を隠し、自由気ままなマンドラゴラたちや常識の通じない最強魔法使いに振り回されながらもマイペースに旅する小さな樹人の物語。
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※特に記載のない場合、内容の変更はありません。
※「『種族:樹人』を選んでみたら」というタイトルで他サイトにも投稿しています。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:ほのぼの
展開:未登録
いろんなテンプレ要素をミックスし、ちゃんとフラグも回収それなのに、まったくのオリジナル作品に仕上げてます。この作品を読まないのは本当にもったいない。基本明るいコメディっぽいのりですが、たまに涙あり、結構重いエピソードありなんですが、一作一作が飽きないうえに、心に残るエピソードがてんこ盛り。もうすぐ完結なので一気読みもできます。キャラクターが本当に一人ひとり個性的で、終わってしまうのがもったいないくらいです。主人公のユキノちゃんはつらい生い立ちの子供ですが、そんな生い立ちなのに優しくてけなげで、愛してくれる人々に出会い本当によかったと思えます。囲む人々もいろんな過去があるんですが、それをはねのけてみんなが笑っていられる。魔法と魔王と樹人の物語です。完結あともシリーズお願いしたいです。
血止めや血流の促進等、薬草にそれぞれの効果の説明があり、実際の体に起こる効果の描写が的確である。そこもすごいのだが、なにより心を動かされたのが主人公の行動だ。治療だけではなく病気の予防法についても主人公である雪乃が詳しく説明する場面がある。これは主人公が自分がいなくなっても患者が自分の力で生きていけるようにするためのものだ。 薬師の役割を選んだ雪乃にとっては当然の行動だったかもしれないが、自分が魔王化する危機の中、自分がいなくなった後のことまで考えられる雪乃を強く褒めたい。主人公の他者に対する思いやりの行動は他にもたくさんあるので興味のある方は読んでほしい。※作者様よりレビュー内容承諾済み