評価:★★★★☆ 4.3
災厄のバスカヴィル家。
富豪の娘ソフィアは、弱冠十三歳で爵位を継いだバスカヴィル家の当主、グウィン・バスカヴィルとの婚約を告げられる。グウィンは悲劇の少年として、最近巷を賑わせている人物だった。ソフィアはどうにかグウィンと関係を築こうとするが、彼女には人に言えない秘密があったーー。
家族の死の真相を追う少年と、死者を視ることのできる少女の、成長と絆を深める物語。※第一部は少年期(13歳〜)、第二部は青年期(18歳〜)となります。
※本編(第一部、第二部)完結済
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:ざまぁ
幽霊が見える少女と、家族を殺した犯人を、必死に捜す少年。 事件の捜査を進める中、二人は互いの心を癒やしていくが、同時に殺人者の影が二人の運命を狂わせていく……。 ぶっきらぼうだけど、優しい少年と、大人びた、一途な主人公が素敵です。 悲しくて、苦しくて。それでいて、強く、優しい物語。 読んだ直後、「有名な作家の書く、ヒストリカル(風)・ロマンティック・サスペンスかな?」と思うような。 500pの文庫を読み終えたような。 そんな満足感をくれる作品でした。
政略結婚から始まるただの恋愛小説かと思いきや、ヒロインの「死者を見ることができる」という能力が絡んできて、そこからストーリーは徐々にミステリーの様相を呈し、俄然面白くなってくる人物描写、心理描写が丁寧で展開に説得力があり、手に汗を握るハラハラとしたサスペンス展開やクライマックスにはアクションシーンもあり、まるで一本映画を見たかのような読後感を得られる展開の都合上甘い恋愛成分はやや弱めながらも、後日談で摂取可能。ソフィアの一途で健気な思いが可愛いので恋愛小説好きの方も楽しめるはず。完結済なので一気読み推奨おすすめです。