評価:★★★★☆ 4.3
剣と魔法の世界に転生したこの私。復活した魔王、聖剣に選ばれた勇者―――――そんな王道ファンタジーが繰り広げられる中で、与えられたポジションは魔法使いの婚約者。(※一迅社アイリスNEO様より、書籍版1~9巻発売中(1巻フィリミナ編~庭師編加筆修正+書き下ろし短編、2巻妻編、3~9巻全編書き下ろし)です。また、FLOSコミック様よりコミカライズ版全4巻(妻編まで)発売中です。こちらもよろしくお願い致します)
時代:未登録
舞台:異世界
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
お姫様ではなく、純黒の恐ろしい美人な婚約者に対してのモブ女子なのに、心の広さ深さが本当に素敵で穏やかで包み込む日だまりのぬくぬくな優しさで、ゆっくりじんわり染み入る女の子を転生少女としてヒロインにする、という新しいさが際立つ、周りの激流との対比がワクワクするお話しです。後半の甘々がより引き立って、ホントにたまりませんよ〜。大好きです。
異世界で貴族令嬢に転生したけれど、チートもなく無双できる環境でもなく。ただ大人びているだけの少女だった。愛されて育った彼女の心根もまた純粋に成長し……それが、どれほど婚約者となった彼の救いとなったことか、真に彼女が理解する事はないんでしょう。言葉を選ぶのが二人とも不器用と言いましょうか、特に魔法使いの方が再会したときに選んだ台詞がアレでしたけれど。落ち着くところに落ち着いて、幸せそうな様子が見られてほっとしました。
転生したというのは物語の中でも精神年齢が高かったりの理由として大事だが、だからといって物凄い秀でた才能や能力というのは無いというのがとても工夫ありきのファンタジー異世界転生小説だと思う。恋愛に関しては最初から夫婦のような雰囲気の為そこらへんは安心して見ることができるあたり喧嘩苦手な人にとんでもなくオススメ!フィリミナちゃんもエギエディルスも、もっと幸せになれ……!!!!!!!!!!
主人を主軸に、婚約者であり夫である魔法使いと主人公の一番の友人を自負する聖女である王女殿下、と極めて特殊な生い立ちをもった二人が主人公に惹かれていく話。主人公を取り巻く家族の話も面白い部分。様々な視点から語られる、自分自身や主人公への想いが伝わるお話。ありがちなチートを持った転生者の話じゃなく、前世をもったからこそ、変わった価値観やずれた認識が、主人公をとりまく周りを倖せにするのである。作者は、文中で幸せより倖せをよく使っておられる。読者ながら、幸せの横に人をおく、人によりそう倖せを著しているのではないかと勝手に推測をする。完結せずに広がっていく話。勇者らが魔王を倒した終わりじゃなく、その後のエピソードを描いたお話。一気に読むことをすすめます。物語がさらに続く事を、空気な勇者とモブな騎士にもエピソードがありますよう、レビューを終えます。
まずは作者様、素晴らしい作品に出逢えてとても幸せです。ありがとうございます。この作品に於ける転生につきまして、『黒持ち』と呼ばれ畏怖される黒髪を恐れず、精神的に余裕を持って言葉足らずな婚約者を支えていけるという点に活かされているのだと見受けられました。小説と呼んで差し支えのない文章力、丁寧に書き込まれたキャラの魅力。カップリングを楽しめる女性には物凄く萌えるお話だと思います。やはり「俺のいない世界で倖せになんてならないでくれ」というエギエディルズの名言は何度も読み返したくなります。フィリミナ共々「ばかなひと」と思わずにはいられません。書籍での加筆分もとても可愛かったです。魔法使いの妻に関しましては、お時間に余裕を持って一気に読まれた方がいいかと思われます。旦那様が分かりづらく妻を溺愛する仕方のない人ですので。こんなに夫婦揃って可愛いと感じたお話は初めてでした。