評価:★★★★☆ 3.8
僕が愛した女の子は__この世界の神様だった。
万物を創造し、破壊する能力《二項対立(スクラップ・アンド・ビルド)》をもつ斎藤厘(さいとうりん)は2年前の夏、能力の暴走により世界を滅ぼしかけ、僕に殺された……。
彼女の死で感情を失った僕はあの惨劇から2年後、彼女の三回忌を機に高松市に帰ってくる。そこで僕は彼女と瓜二つの少女と出会い、ひょんな流れで共同生活を起こることになるのだが、次第に僕の中で目の前の女の子と思い出の中の彼女との違いがつかなくなる。
__心に空いた穴は別の誰かで補えるのか?
僕の中で葛藤が生まれる。そして知る、もう一つの真実。
「もしも、あいつを救えたら……」令和発、新時代のセカイ系が幕を開ける!
*文章のレイアウト上、PCでの閲覧をおすすめしております。
第30話あとがきに掲載のイラストは、あーき様(https://mypage.syosetu.com/1107829/)から。
2/23 第1話まえがきにイラストを挿入。提供はあーき様から。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:現実世界
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
物語は、彼女の三回忌に、主人公が高松市に戻ってくる所から始まる。 そこで、彼は信じられないものを目にする。――それは、二年前に、自ら心臓を刺し貫いた彼女……厘に生き写しの少女。 まだ名も付けられていなかった少女に、『霖』と名を付けた主人公は、少女とふたり、奇妙な同居生活を送る事になる。 霖と過ごす穏やかな日常の中、主人公は封じ込めていた『厘』への感情を徐々に取り戻していき、同時に、『霖』に対して湧き上がる感情に悩まされる。『厘』と『霖』、ふたりに対する想いが満ちた時、彼が選んだ選択は……。 淡々としながらも、引き込まれる構成と卓越した心理描写で、読む者の心をガッチリと掴んで、先へ先へと読み進めさせる力がある文章。 主人公や厘、そして霖の想いが丁寧に描写され、そして、意外な展開で読者を惹きつけます。 哀しく、切なく、美しい……そんな物語です。
異世界ファンタジーと例えると、「魔王を殺した勇者が、魔王の忘れ形見の少女を預かる子育てもの」になるだろう。なろう読者諸君、たまには現代ローファンタジーを読んでみないか?まず2章まで読んでほしい。本作の真髄は「霖」のかわいさと「僕」の歪んだ愛情にある。人として致命的なズレに目が離せない。愛する人・厘(りん)を殺した主人公・僕は、彼女の忘れ形見・霖(りん)を育てることになる。だが、これは物語の末端に過ぎない。かつてこの世界は神の能力を持つ少女・厘に滅ぼされる寸前にあった。滅びゆく世界を救ったのが主人公である。ここが異世界ファンタジーに例えた部分になるが、この大風呂敷は現代の、それも日本の香川県・高松市に繋がっているというのだ。まるで読んでいる自分も「セカイ」のエキストラになれたような感覚が味わえる。実は、続きをこれから読もうと思ってて、今すでにワクワクで胸がいっぱいだ。
物語の舞台は香川県、高松市。2年前、自分より一つ年下の女の子である元カノの斎藤(さいとう) 厘(りん)は、能力が暴走してこの世界を滅ぼしかけたので、僕は、彼女を殺してしまいました。その事がトラウマになって、何をしても、生きている喜びや実感を、まったく感じなくなってしまった僕。そんな僕の前に元カノと瓜二つの少女、斎藤霖と出会います。風景や、状況の表現力や、キャラクターの心理描写が上手いと思いました。読んでいて、ストーリーがすっと入ってくる感じです。文章のクオリティは、高いモノがあると思いました。もしよろしければ、読んで見て下さい。