評価:★★★★☆ 4.1
大学の同期、庵野ルミさんはとても美しい人だった。ある日僕はバス停で待っていた彼女に、勇気を振り絞って声をかけた。その日をきっかけに、僕らは距離を縮め、そしてなだれ込むようにして付き合うことになった。
その時彼女はこんな事を言ったんだ。
「たとえば永久に生きられるとしてね。その中でたったの四年間だけ自由に過ごしていいよって言われたら。君だったら何をする?」
正直、僕にはなんと答えたら良いか、わからなかった。今でもその正解はわからない。もしあの時違う事を答えていれば。もっと気の利いたことを言えていれば、あるいは今は違ったのかも知れない。
「君の四年間、私に分けてくれないかな?」
彼女はそうとも言った。僕には断る理由も、手段もなかったんだ。
そして僕は知る。
「たとえば永久に生きられるとして」――その言葉の意味を。
花の咲いたようなその笑顔を、僕は永久に忘れないだろう。
時代:現代
舞台:未登録
雰囲気:シリアス
展開:未登録
注意:R15
大学に入学し新しい生活に慣れ始めた頃、彼は同じバス停で待つ女性に勇気を振り絞って声をかけた。同じ学科の同期生で、初めて見かけた時から彼女に惹かれていた。そして彼女が言った言葉「たとえば永久に生きられるとしてね。その中でたったの四年間だけ自由に過ごしていいよって言われたら。君だったら何をする?」意味深な問いかけであるが、この時から運命の歯車が噛み合い始める。現代物のラブストーリーですが、ちょっとミステリアスな展開。もしかしたらこんな事があるかもって想像するとワクワクします!