評価:★★★★☆ 3.8
大学生の柴谷大器(しばたにたいき)は長年の初恋を叶えて幸せな時間を過ごしていたのだが、猫を轢いてしまった事がきっかけとなって自分に不思議な力があることに気がついた。
それは、命を奪うことで過去に遡るというもの。命を奪う対象はなんだっていい。
犬や猫の動物でもいいし、それこそ人間だって構わない。
力に気がついた大器は試行錯誤をして力の詳細を調べた。そこで得た情報は、大器の能力は生き物を殺すことで過去へと遡れる能力であること。
遡る時間は殺した対象によって左右されること。
動物を殺すより、人間を殺したほうがより大きく遡れること。
そして、一度殺した対象は遡った先でも死んでしまうこと。大器は、過去へと遡ることができるその力を使って、自分の人生を幸せなものにしようとした。
一度崩れた幸せを再び形にしようと何度も力を使った。
けれど、何度となく力を使うにつれて大器は力の弊害に苦しめられることとなっていき、やがて苦しんだ先で、大器は幸せとは何かと考えるようになっていく。