評価:★★★★☆ 4.1
古代から中世、近代に至るまでの長い魔女狩りの歴史の末、1988年に国際魔女法が制定され、全ての〝魔女〟に人権が認められるようになった21世紀の現代。
〝大学生の魔女〟にして〝言葉の魔女〟である葉月 言継(はづき ことつぐ)は大学の図書館で司書業務に携わっている魔女の暴走を止めるべく戦うこととなる。人間は死ぬが魔女は死なない。
魔女と成った人間は死してなお、死ぬことを赦されない。
その肉体が死を迎えようとその肉体に宿る〝魔女〟が死を赦さない。
死んでいるのに、生きている。生きているのに、死んでいる。その矛盾が魔女を暴走に誘う。
〝図書館の魔女〟との戦いの果てに、〝図書館の魔女〟が何者かの意図によって殺され暴走を迎えたということを知った言継はその〝何者か〟を探っていくこととなる。人間は死ぬが魔女は死なない。
人間とは何なのか。魔女とは何なのか。
それを魔女を保護するために国連により設立された組織、WHO(魔女救済団)……別名、〝魔女狩り団〟のメンバーと衝突しながら知っていく物語。(ダークでシリアスな現代ファンタジーにラブコメが混じっている感じ)
全38話完結済。
時代:未登録
舞台:未登録
この物語は現代を舞台にしていますが、魔女が普通に存在しています。魔女狩りの歴史があり、近代になって魔女の人権が認められ国際魔女法に守られています。でもその法はハリボテで、魔女は現代も迫害されていました。それは魔女は死んだら暴走して人々を襲うようになるからでした。この物語の主人公はそんな魔女のひとりである女子大学生。ドSでいつも人を嘲っている女性です。主人公が通う大学の図書館で働いている魔女が死亡し、暴走したところから物語は始まります。生死という重いテーマを軸にしてる物語ではありますがドS魔女に鬼畜老紳士、シスコン兄貴にツンデレロリババアと濃いキャラクターたちのかけあいがとても楽しく、読んでいて笑えますし切ない気持ちにもなりますしドキドキもします。特にラストは、とても胸が締め付けられました。
この物語の主人公は人間ではありません。魔女です。魔女というと「怖い」というイメージが多い存在ですが、この作品はそうではありません。魔女は死ぬことさえ許されず、そして持っている感情の特徴も人間とは違う…人間とは…魔女とは何なのか…?魔女の暴走事件をきっかけに、生死についてや、人にとっての当たり前の感情について、とても考えさせてくれる作品で、思わず胸が熱くなります。また、戦いや仲間との衝突を通じて各キャラクター達が大きく変化、成長していくのがとても魅力的です。恋愛要素もあるので、ダークな雰囲気の中にドキドキや興奮も楽しめます。ダーク現代ファンタジーが好きな方変化、成長が好きな方また、かっこいいおじ様もでてくるので、おじ様好きな方にもオススメです!