評価:★★★★☆ 4.3
【旧タイトル:(a clever) Boy Meets (an anachronism) Girl】
百年続いた大戦争が終結してから十年。魔術が発達し発展途中の銃器が火を噴くこの時代。
〈運送屋インケルタ〉に拾われ、そこで働く戦災孤児アトルは、とある依頼に関わったことから、一人の少女を百年の眠りから目覚めさせることとなる。
臆病だしなんか事情持ちだし、こいつを追って来た連中は泊まってる宿まで半壊させてくれるし! と思いつつも、小賢しいくせに妙に情に厚いアトルは彼女を守ろうとする。しかしその見返りは、致命的な重傷だった。
死を覚悟したアトルを救ったのは、少女の持つ不思議な――そして、争いの火種となる力だった。
その日を境に、アトルは意図せずして百年以上前から続く因縁に足を突っ込むこととなる。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:シリアス
展開:未登録
ヒロインであるレーシアを中心に魅力的なキャラクター達で固め、しっかりと構成を考えて物語を回していると思います。各キャラの成長を見てとれ、正に王道ものといった形の作品であり、なろうではあまり見ない、どちらかというとファンタジー系の文庫ものに近い性質の作品だと感じました。また、敵キャラクター達にもちゃんとストーリーがあるのがいいですね!どちらにも言い分があり、想いがある。それでもと、主人公のアトルが自身を突き通す姿は正に恋する少年って感じです笑
作品を読んでいてどっかで読んだ事あるような作品だと思った事ありませんか?こちらの作品にはそういった心配は無用です。独特な世界観及び設定の中、多くのキャラが生き生きとしており、ジャンプ的熱血王道路線あり、女性作者らしい恋愛模様ありと贅沢な作品になっています。またストーリーも伏線を回収しながら、起承転結でまとめられており、エンディングまでもう少しであり、へたる心配もありません。良質な読み応えのある王道ファンタジーをお探しの方はぜひ1度読んでみて下さい。
運送屋で働く主人公はとある依頼に関わったことから少女を百年の眠りから目覚めさせることになる…。その出会いが自分の生涯に大きな影響をもたらすことも知らずに。一言で言ってしまえば成長物。過去の経験から人をあまり信じられず、倫理観の欠けた面のあるヒロインが主人公達との関わりを人を思いやるようになっていく。主人公は最初は弱いが、ヒロインのために少しずつ強くなっていく。主人公とヒロインがお互いに支え合って成長する様が面白いです。大したミスもしていないのにピンチになり続ける主人公の不幸っぷりも見物です。