評価:★★★★☆ 4.2
――聖か、邪か。優しさか、甘言か――
魔のものが地上を脅かす暗い時代、人の心を惑わし魂を奪う『悪魔』と戦う聖職者『浄化特使』がいた。
悪魔に一族を殺された若者エリアスは復讐を誓い、異例の条件付き司祭となる。浄化特使として独立可能かどうかを見極める監督官グラジェフと共に実戦の旅に出るが、二人にはそれぞれ秘密があった。※ミステリ風味。感想欄はネタバレがあるので閲覧注意。
※同性愛者が登場するため、その心情描写などが少しだけあります。
いわゆるBLが主眼ではありませんが、極めて苦手という方はご注意下さい。
話数:全98話
ジャンル:異世界ファンタジー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
悪魔や外道が徘徊し、人々の生活を脅かす危険な世界。無力な民を護るため、教会は魔と戦う特殊な司祭を養成した。その名を”浄化特使”という。一族郎党を悪魔に殺された青年エリアスは、復讐を誓い、特別な計らいでこの浄化特使となった。師に導かれ、司祭の証たる銀環と剣を手に、彼は戦いに赴く。全ての悪魔を滅ぼすために――。人間の嘆きや怒り、嫉妬や欲望といった心の闇にとりいる悪魔たち。猜疑と力のかけひきがミステリー調に描かれ、読者を惹きこみます。世界の成り立ちが悪魔と聖者の起源とともに築かれた緻密な構成には、息を呑むばかりです。作者さまの確かな筆力で描かれる魔との攻防、世界の崩壊と再生の描写が素晴らしいです。本格的な欧風ハイファンタジーがお好きな方に、お勧めします。