評価:★★★★☆ 4
お菓子の家の魔女、フレイズ・バニーユは、目の前で微笑む王子様然とした男に顔をしかめました。
「ねぇ、魔女様。あと一年で約束の百年ですよ」
目の前の男は、確かにフレイズが見知った少年の成れの果てなのでしょう。ですが──、
「え……人間って、百年もあれば死ぬものじゃない?」
なんでアンタはそんなに若々しいわけ、と魔女はしげしげと若者を見つめます。
──これは、助けた少年に惚れられた魔女が「百年早いわ」と言った結果の粘着物語である。
「いいえ。恋物語、ですよ」
「違うわよ!遠回しにフったの!気づきなさいよ、ばか!」※感想、レビューは大歓迎です。
※ポイント評価して頂ける場合は、最新話下部からどうぞ!
※40話で完結。
※『アルファポリス』様でも掲載しています。
時代:未登録
舞台:未登録
注意:R15
魔法のことしか頭に無い干物魔女が、100年間彼女を想う男に純粋すぎて重い愛をぶつけられまくって怯える話です……………最初はね。彼女が逃げながらも、次第に心を開いていく様子は可愛らしくて応援したくなります。彼の方も、彼女を守るために国を動かしてしまう一途さが、やっぱり重いけどカッコいいです。魔女の偏見が残る世界で、互いが歩み寄る姿は優しくて尊い。お伽噺のような語りで進む、この素敵な物語をたくさんの方に読んでもらいたいです。