スピリッツサイド　ネメシス編

　今から10年程前、地球側の時間軸では1週間置きに精霊達の居る異世界の湖と繫がる神影（みかげ）神社の泉の前で、事故により飛ばされて来た猫耳の女の子の宵月小蔭（よいづきこかげ）をセイレーンの国の次期姫君のシェリナと共に助けた主人公は、大人になったら恋人を探しに来ると良いという旨の彼女の言葉を受け入れて、成人式を迎えてから初めての夏休みを待ち望んでいた。

　しかし、丁度その頃の異世界には魔法具の過剰生成国が有るという疑念が渦巻いていた。
　その世界の中でも特に疑われている東洋怪異の蛇姫を慕う小蔭から話を聞いた彼は、一夫多妻の世界の中でシェリナや彼女と同様に知り合った水龍系の姫君等と恋をしながら黒幕を推理する運びとなる。

　気が利く恋人達の協力も有り賛同国も特定した主人公は、首謀者の国の姫君に自身の見解を披露するが、それを受けて彼女が話した理由は黒幕とは掛け離れたものであった。
　人格者揃いのこの世界の亜人なら真相を話せばきっと協力してくれると確信した主人公は、恋人達と共に彼女等の対立者に対する全面共闘を訴え、それは倒されても命が守られる身代わり石という魔法具を利用した全面戦争形式の決闘という形で現実となる。

　だが、その国の姫君が彼等の予想通りに決闘を申し出た理由には、通信の中で彼女を心から心配する声を初めて聴いた時から気に成っていた主人公と一戦交えた上で話をしてみたいという、姫君なりの照れ隠しも含まれていた事に彼自身も気付き始めていた。
　そして、彼はこの経験を通して二人の女性を勇者として讃える様になる。

　※4系統の√に分岐する現世恋愛型のダンジョン考察RPGをイメージした新作のドーリーサイドも、乞う御期待♪