メンヘラ無職の僕が、2年間で会社員になるまで（仮）

　告白しよう。僕は「メンヘラ」である。
　よく仕事がうまくいかなったり、失恋したりして
「ウツだ…」
と、つぶやいている人を見かけるが、そんなものではない。
僕はホンマモノの「メンヘラ」だ。しかも「躁うつ病」ではない。「統合失調症」という、頭の配線がおかしくなる病気。いわゆる「ぴちがい」である。

―第一話　「そもそも」より―

　精神病にかかり、日常生活は制限されながらも、のほほんと日々を送っているうち、なんとなく就職まで行き、社会復帰を果たした「僕」。会社勤めは何とか約10年もった。
　しかし、諸々の事情から、再び精神病を発症し、「僕」は会社を辞めた。
　約一年半の休養の後、就労支援ＮＰＯに入り、そこから奮闘が始まる。
　なんせ、僕は「就職超氷河期時代」を素通りし、まともな就職活動は、これまでしたことがない。
　が、貯金を切り崩す生活にも限界がある。また、ＮＰＯのプログラムの制度から、2年間で、僕は、再就職を果たさねばならない。

　ＮＰＯでの訓練の様子、就職や働くことについて、また精神障がい者の日常について、「僕」が見たこと感じたことを書いた、エッセイ集。

※作品内に登場する個人、法人等は全て仮称です。