評価:★★★★☆ 4.2
【1/31よりコンプエースUPでコミカライズ配信開始!】
【KADOKAWAエンターブレイン様より書籍化しました】私、九条院麗子は天涯孤独の貧乏娘である。2か月前に亡くなった祖母は我儘お嬢様で生活力なんて皆無。赤ん坊の私を押し付けた父親は九条院家を潰した挙句、未だに行方不明だ。そんな私を育ててくれたのは祖母の女中さんのフキさんである。フキさんのお陰で、私は生活力を身につけることができた。一方の祖母は気位がエベレストよりも高く、私を九条院家のお嬢様として相応しいように教育を施す。二間しかないオンボロな借家にピアノを置き私に厳しい指導をする。ダンスもマナーも語学も。祖母はヨーロッパに長くピアノ留学していたのだ。
そんな私は特待生制度のある名門明聖学園の高等部に入学することになったが、入学式の日に後ろからタックルを受け、「悪役令嬢!」と桜田優里亜に罵られるのだ。彼女はどうやらこの世界が乙女ゲームの世界だと思い込んでいる模様。幼馴染たち(彼女曰く攻略対象とのこと)には私の事を警戒するように注意し、ヒロイン結城美羽と攻略対象である小鳥遊亮とくっつけようと奔走する。
私はド貧乏でそんなことしている暇はないのに。そんな中、女中のフキさんの引き取られた先が攻略対象の小鳥遊亮の家だと判明。フキさんは小鳥遊亮の曾祖母に当たる。彼はフキさんをこき使ったと私をなじるが、私はもう一度フキさんに会いたい。そんな時、土砂災害によって家を失ってしまう。頑張れ私! 負けるな私!
雰囲気:未登録
展開:ハッピーエンド
注意:全年齢対象
高貴な血筋に染み付いた貧乏根性。しかし佇まい、知性、品性までは貧しくない。いや、むしろそれどころではない。さあ、よくある悪役令嬢ものと軽く考えて読み始めてみるといい。どうせすぐに裏切られるのだから。細かい設定まで作り込んであるのにスラスラ読める。本物の上流階級とはこうなのかと納得させられること必至。その上、随所に仕込まれた数々のネタからですら主人公の生き様が伝わってくる。『豊かになりすぎた貴方に』読んで欲しい作品です。
悪役令嬢を題材にした作品が多い中、久しぶりにそういった作品群から飛び抜けた逸品です。極貧な主人公と彼女を悪役令嬢だと信じる少女、更にそれを取り巻く魅力的な登場人物達が織り成す現実世界を舞台にした物語。現代を扱う令嬢ものには必須の設定や造形物に対するリアリティー感をこの作品は強くに感じさせてくれます。登場人物も皆魅力的で、特に主人公レイちゃんの純朴さやツンデレのサラちゃんの可愛らしさには、読み進めるうち虜になる事間違いなしです!以下はなろうで実際に書かれる方へなろうで投稿される人なら、この作品の構成の妙に舌を巻く事でしょう。読み手をぐいぐいと引き込む構成の上手さ、文章自体の美しさ、魅力的な登場人物の描写の仕方。読み手の事を非常に考えて書かれた作品という事が一読すれば理解されると思います。読み手として純粋に楽しめ、書き手としても勉強になる作品です。是非一読下さい!
更新が待ちきれなくて、何度も読み返す作品は久々です。モノローグがしっかりしており、小説としての形ができているので、一般の人も読みやすいオススメ作品です。よくある鈍感ものとは一線を画しています。舞台設定は女性が好むものですが、ストーリーの運び方に不自然が少なく、どなたでも読みやすいかと思います。主人公の思考に偏りがありますが、背景が丁寧であるため、人格形成に至る経緯が読み手に伝わり違和感はないです。文章はコミカルな手法を取っているので、冗長にならずよいバランスです。
ともすれば陰気でしかない境遇(設定)にも拘らず、洗練されたバランス感覚で「天然っぷり」をぶちこみ雰囲気を保ち続ける力量に呆れ笑いが出る。タイトルとコンセプトがちょっと前の流行りに因っているので、損するんじゃなかろうか。そんな老婆心を抱かせる実力派だと、個人的には思います。とは言え、恋愛傾向の群像であるとは思うので、割と女性向けなのかな?コメディやざまぁ系の側面では性差問わず推せるかなと思います。今後とも期待。
久しぶりにどっぷり引きずり込まれた悪役令女物です。主人公、麗子は所作も完璧な素晴らしい貧乏人です、そして悪役令女感全くもって零の情報機関通(笑)世間ずれしていながら生活力抜群なところとか読んでいて微笑ましいです。また物語中は伏線が随所にあり色々考えさせられ大変面白くそういう物が好きな人は読むことをオススメします。これからフキさんとの関わりや土砂崩れに向かってどのように話が進んで行くのか、是非皆さんこの作品大変面白いので読んで見て下さい。拙いレビューで申し訳ございません。