ふたりのアラベスク　 ──あなたに心、奪われていく

優しい夫との仲は良好。愛し愛される子無し六年目の夫婦。しかし妻の奏子は出会ってしまう。その男に。渡される連絡先に、躊躇しながら時間をかけた短文のメッセージ。友だち？ 話し相手？そんな答えは当然出ない気になる男。堕ちるのは恋か？ 地獄か？奈落に堕ちてしまう妻に夫は気付けるのか？少しずつ心が奪われていくアンハッピーエンドなストーリー。

どこか影のある、女性向けの恋愛小説。せつなく、感動的な物語。さまざまな小物が美しく上品であり、カフェやクラシック音楽といった知識が巧みに描写されている。ヒロインの奏子が大変魅力的な女性であり、しかし、どこか闇があり美しい。 過去の花嫁衣装が特によかった。カフェや奏子の作るスコーンも美味しそうだ。 ある日、謎の男性と知り合った奏子。しかし、奏子には大切な夫が……次第に仲良くなっていく奏子。はたして、どうなるのか？ 古典恋愛のようなテーマで紡がれる、重厚な物語。