評価:★★★☆☆ 2.5

 貨物船に紛れ込んでいた危険な特定外来生物のティクバランが、堺港から市街地に逃走してしまった。
 馬の頭に人間の胴体を持つティクバランは、人間の女性を好んで襲うという危険な習性から、生息圏であるフィリピンでも悪名が高かった。
 浜寺公園で非常線を張っていた千里達は、一般人の少女を害せんとするティクバランを発見。
 千里達はティクバランの殺処分に成功するものの、保護した少女の身元を確認するや、その偶然と意外性に驚くのだった。
 保護した少女である四天王寺夕香は、千里達の母校である御子柴中学の同級生だった。
 久しぶりに見る懐かしい顔に、千里は卒業式の日に思いを馳せるのだった…

 元化25年、弥生の候。
 世はまさに卒業シーズンの真っ只中。
 この時期には多くの若者達が、慣れ親しんだ学舎への別れを惜しみつつも、来るべき新生活への期待に胸を膨らませながら、卒業式に臨んでいた。
 そしてそれは、現役の小中高生や女子大生を多く擁している、防人の乙女とて同じ事。
 人類防衛機構極東支部近畿ブロック堺県第2支局に所属する特命遊撃士、吹田千里准佐もまた、在籍している堺県立御子柴中学校の卒業式を控えていた。
 しかし、この吹田千里准佐には、この日に御子柴中学校を卒業する、多くの特命遊撃士や特命機動隊曹士とは、決定的に異なる点が1つ存在した。
 それは、彼女は元化22年に参加した「黙示協議会アポカリプス鎮圧作戦」で重傷を負い、ほんの少し前まで昏睡状態だったという事だ。
 機械に繋がれて病院のベッドに横たわり、意識のないまま過ぎ去っていった、3年間の中学生活。
 その締め括りとなる卒業式の日、吹田千里准佐の胸に去来する思いは、果たして何か…

(※ 未成年者の飲酒シーンが登場しますが、当作品は現実の未成年の飲酒を推奨した物ではありません。当作品はフィクションであり、現実とは別の歴史を辿り、現実とは異なる法律が施行された日本が舞台です。フィクションと現実を分けて考えて下さい。)



登場人物
主人公属性
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職業・種族
  • 未登録

時代:未登録
舞台:
雰囲気:未登録
展開:未登録