評価:★★★★☆ 4.3
魔物を討伐しながら国から国へと旅する勇者一行は、少しずつ世界の真実に近づいていく。
人間の殲滅を掲げ、世界中で魔物をけしかける女悪魔ディアーナは、ある日、勇者ルキの前に現れて共に行動することを提案する。
ヒトが語る歴史の陰で、悪魔が見た夢は。
※長岡更紗さま主催「アンハピエンの恋企画」参加作品です。
話数:全8話
ジャンル:異世界恋愛
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:切ない
展開:未登録
その他要素
注意:R15
完結日:2019年11月30日
作者:伊賀海栗
(1)作者に凸る(2)そっと閉じる(3)ムリヤリ自分を納得させる本作を読んだ私は、即行で(1)を選んだ。感想欄と作者様の活動報告で、受け入れられないと泣きついた。ただの駄々っ子だった。(2)と(3)を選択するのは遅すぎた。抑えられない涙が、逃がさないと云っているから。それならば、出来ることなど限られる。――読む 読む 読む……それだけだ。全8話の本作は、人の身勝手さを、その様々な形を、浮き彫りにする。悪魔と喧伝された女の悲恋を、そっと照らし出す……。その結末を、あなたは受け入れられなくてもいい。この物語は、そんなあなたを待っていてくれる。だからどうか、心ゆくまでご堪能あれ。
神話的な情緒に溢れた壮大なストーリーと、光と闇が交錯する夕暮れの様な切なさに満ちた悲恋。そして善と悪を区別することの難しさ。 それらを見事に描き出した素晴らしい作品です。 しっかりとした文章力によって描かれる、世界の真実と、それに添うように語られるいつかの日の、叶わなくなった愛の話。 激しいクライマックスから始まり、そこに至るまでの出来事を語る物語の構成の巧妙さ。その中で様々なことを読者に思わせる技量は「素晴らしい」の一言。 しっとりとしたストーリー、鮮やかな情景描写によって、最後まで一気に読むことができます。 涙をこらえて読んだラストシーンが忘れられないので、レビュワーはレビューを投稿したらもう一度読み直してきます。 私の未熟なレビューでは魅力を書ききれない。 逸品と称するべき、本当に良い作品でした。 是非、ご一読ください。