評価:★★★★☆ 4.4
優位種アルファ系が支配する世界では、劣位種デルタ系は絶望や諦めを当たり前のこととして受け入れている。そんなディストピアな世界において、やがてレジスタンスとなり世界を変える男が現れる――。
本作はレジスタンスとなる彼と、彼に関係する人物達の連作短編です。
内容は非常にシリアスで重いです。救いはほぼなく、かすかな光が差し込む程度です。
・一話目から暗く残虐要素ありですが、最後まで予告なしにこのような内容が出てきますのでお気をつけください。
・第一章のみ公開時において2019年の第七回ネット小説大賞一次通過。
・第二章は長岡更紗様主催の「アンハピエンの恋企画」参加作品です。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:近未来
舞台:未登録
雰囲気:シリアス
展開:未登録
優位種アルファ系に支配された世界。劣位種デルタ系は突然連れてこられ、収容させられる施設があった。そこでは牢獄のような世界が広がっているのだが、実際はアルファ系によるデルタ系の生態を観察する猟奇的な研究施設だった。デルタ系のオオノは四人組のリーダー。偏屈なベンじい、表情のないソウという子供、孤独を愛するという若者、新人ナルセと共に施設から出た死体を片付ける仕事を担っていた。ある日、孤独を愛するナルセが子供を拾った。ジウというただ泣くだけの子供を。ナルセはこの子供匿うと言った。有無を言わせぬナルセの行動に、オオノは翻弄されていく。ナルセの存在が、ジウの存在が、オオノの心を、偏屈なベンじいの心を、いつの間にか、つまらなくも穏やかな日常を過ごしていた日々の頃に戻していく。その後に訪れた残酷な日常の中でも、人間の心を保てるように。
真剣にどっぷり世界観にハマれます。登場人物のそれぞれの性格や人間関係からなる対立や絆が中盤からラストまでブワっと内容を盛り上げてて一気に熟読できました( ´∀`)文字数の関係かラストがやや物足りない…サラッとまとまり終わる感じなのが少しさみしい気もしますが、是非!追加エピソードを期待して待ってたいと思います(^^)