評価:★★★★☆ 4.4
辰巳センセイは国語科。ゆえに武器は「言葉」のみ。
学園で起きるいくつもの恋の事件。
一見ばらばらのエピソードは、やがて全て繋がり
現実と文学がクロスする圧巻のクライマックスへ……。センセイが語る恋の追加講義で、
事件の謎は解け、少女たちの心も優しくほどかれていきます。せつない恋 × 文学 × ミステリ で贈る
サービス盛り盛りエンターテイメント!○こんな方にオススメ!
★せつない恋にほろりとしたい方
★伏線たっぷりのミステリーが好きな方
★高校の空気を懐かしく感じる大人の方
★文学に詳しくなって先生から一目置かれたい中高生の方
★文豪の出てくる小説やアニメをより楽しみたい方など※2019年11月27日 本編完結しました!
渾身のラストをお楽しみください。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
注意:全年齢対象
高校を卒業したみなさん、あるいは現役高校生の皆さん。国語の授業に出て来る名作文学って、どう思います?「舞姫」「羅生門」「竹取物語」「山月記」「こころ」実は私、今まであんまり面白いとは思えなかったんですよね。なんか「試験の為に読まされている」、「内容は良く分からん」って感じで。はい、私と同じ事を考えていた人は、今すぐ本作を読みましょう。辰巳先生の授業は、そういった名作文学の真の面白さ、筆者の熱い思いを伝えてくれます。こんなに面白かったんかい!そんな名作文学が、現実の恋愛物語と見事に絡み合うのです。絆と愛で紡がれ、繰り返されてゆくストーリー。これでつまらないわけが無い!さあ、始業のベルが鳴りますよ。心ゆくまで、辰巳先生の授業をお楽しみ下さい。そして、悩める若者達の恋愛物語も、ぜひ最後まで見届けて欲しい。
名作がなぜ名作か。その答えが分かったのは、辰巳先生から授業を受けてから。つまり、本書を読んでからだ。本書で紹介される作品は、舞姫、羅生門、竹取物語、山月記、こころ。辰巳先生の解説を通じて再読すれば、いずれも、作者の人生と深く重なり、私たちの人生を重ねてしまう、それゆえに深く心が動く。そういう作品だった。つまり、こういうものが名作なのだ。辰巳先生から授業を受けた生徒たちも、私と同じように心揺れ、人生を重ね、前を向いて歩むことを学んでいったのだろうと思う。そして本書を読み進めるうち、そうした生徒たちの姿に、私はまた、自分の人生を重ね、心の底から応援せずにはいられなかった。即ち、本書は名作なのだ。間違いない。
この作品は、本当に色々な要素が詰まっていまして、読者を物語の世界観に引き込ませる文面が素晴らしい作品です。――文学。――青春。――恋愛。――嫉妬。――不祥事。――先生と生徒。心や経験は未熟であれど、一生懸命に自分という形を確立させ、青春という荒波を懸命に泳ごうと足掻く生徒たち。そしてその外側から生徒たちを導き、世論や社会の柵と折り合いをつけながらも、生徒の道標にならんとする教師たち。ブラックコーヒーにミルクや砂糖が混ざり合うように、2つの要素が絶妙に溶け合い、それを喉に含む読者に様々な感動を与えてくれる素晴らしい作品となっております♪誰もが経験する学校という環境を題材にし、現実に起こりえる物語だからこそ――感情移入しながら読み進め、同じ目線・等身大の世界を楽しめると思います!特に……苦境を乗り越え、恋に燃える生徒の情熱は見物ですよ♪是非、ご一読を!!
だがしかし、しのごの言わずに今すぐ読め。……やぁ、変態紳士の稲村某だ。今日は一風変わった国語教師が主役の小説を薦める。舞台は高校。出演者は職務に忠実だが、情と教養を兼ね備えた先生。そして自らに忠実だが、奔放さと利発さを兼ね備えた女生徒達。そんな彼と彼女達は、小さな事件と授業の境目の間を行き交いながら、互いの心情を僅かに垣間見せつつ、物語を織り成していく。……だがしかし、スパイスとしての僅かなサスペンス(そこまで強くはないぜ?)、そして恋慕の情が物語を豊かに彩り、そして色付けていくんだぜ?一編辺りの字数は軽やか、物語の運びも軽妙! おまけにタイトル作を読み込んだ位に詳しく学べるとか……得しかねぇっての!!黙って今すぐ読め。特にタイトル作を学んでいる最中の学生なら必須だぜ?……ただ、一人の女生徒がやや腐な視点をぶち込むから、惑わされんように。スパイス其の弐だが……ね。
『Pity’s akin to love』 本作は、夏目漱石の「三四郎」で引用された上記のフレーズを思い出させます。 日本語で訳せば「恋慕と哀れみは根が同じ」。 プロシュート兄貴が訳せば「『可哀想』と心の中で思ったならッ! その時スデに恋が始まっているんだッ!」といったところでしょうか。 要は「感情を動かされたのなら、それは恋をしたも同然」なのです。森鴎外の「舞姫」でエリスの境遇に同情を示したならば、その時点で「舞姫」という作品に引き込まれているかのように。 本作のヒロインたちが心に抱いた透き通った恋心は、読み手の心を揺らします。心が揺らされたのなら、それはもう、この物語に「恋」をしているといってもいいのかもしれません。 コミカルさを織り交ぜながらも優しく滑らかな文体で描かれた恋模様の数々は、本当におすすめです。ぜひ読んでみて、この物語に恋をしてみてください。
堅いタイトルとは裏腹に、「年の差」の恋愛がメインの読みやすいライトノベルです。 そう。この作品の本質は、年の差の恋愛がテーマの学園モノライトノベルなんです。 ただし普通じゃ、ありません。 リアルな教師の内情、精緻な心理描写、そして何より……、何が凄いって、過去の文豪の偉大な作品による伏線の補強です。 本を読む人は思わず唸るはずです。 こう来たか、と。 本作は、読むだけで国語の偏差値がアップする、不思議な恋愛ものライトノベルです。おすすめ!
かつて通った、あるいは今通う学び舎で。諸君は、敬愛出来る恩師に出会えただろうか?出会えたなら幸運だ。その縁は人生の宝だろう。しかし、出会えなかったなら……?――大丈夫、心配は要らない。ここに、本作があるからだ。都合の良い妄想ではない、現実的な……けれど苦い面もあるからこそ青春の舞台として輝く『学校』があるからだ。歴史的名作を、分かりやすく丁寧に、かつ深く解説してくれる『授業』があるからだ。そして……最高の『先生』がいるからだ。男女問わず、子供と侮らず、しかしその幼さを理解した上で、生徒一人一人に、人間として真正面から向き合ってくれる――『本物の教師』が。事件を追う中で語られる教えは、事件そのもののテーマとともに、きっと諸君に快い感動をもって刻まれるだろう。……そうだ。『恩師』ならここにいる。だから、改めて通おう――。〈辰巳先生の国語科授業〉に。
もう、すばら。主人公の辰巳先生がね。こう、親身になってくれるタイプの先生なんですよ。学校内で起こる不和を未然に防ごうとして、いろいろと心のケアをして回るのですが、十代の女の子たちがですね。傷心の折にですね。優しー言葉をバシバシ浴びせてくれるわけですよ。作中の少女の言を借りるのなら「好きになるな、って、そんなの無理です……」ほんとそう!もう!ほんとそう!ほ、ほだ…絆されるぅぅ。そして物語に絡めて時折差し込まれる授業パート。これが結構「授業」として面白くてですね。扱われている題材の「舞姫」だとか「羅生門」だとかの原文に興味が持てる様にうまく誘導してくれてるんですね。教科書に載ってる訳文ではわかりにくい、現代語的な解釈を交えて古文を優しく説明してくれます。こんな授業受けてみたかった(>_<)
へんに凝った言葉のチョイスじゃないし、コテコテの場面描写もされてない。なのに!凄く色彩豊かで何層にも重なったような深い味わいのある表現。文章そのものが非常に洗練されていて、読んでいて自然と場面や登場人物の心理なんかを想像させられちゃう。言葉の足し算、引き算、割り算、掛け算やら全部駆使されてるみたいで読んでてキモチイイ。作者様の言葉のセンスが抜群!それからそれから、登場人物がとても魅力的。主人公の辰巳先生は超いい男だけど、天然の…。女の子の「好き要素」が詰まってる。モテたい人は辰巳先生の行動やセリフを研究すべし!ヒロインの円城ちゃんは美しい小悪魔。こんな子に翻弄されたい。男の人の「夢」が詰まってる!あとあと!日本文学と絡んだところ。この作品たちの醍醐味なわけです。どれもしっくりとピターンと作品とリンクしてハマるんです。とにかく、読めば間違いなく刺さる!ぜひ!
私は第2章しか読んでいないにもかかわらず、レビューを書いています。理由は単純。惹きつけられたから。面白かったから。ハラハラしたから。爽快だったから。傍若無人とも取れるほど凛とした少女。彼女の一挙一動から目が離せなくなりました。そんな彼女がどうなるのか……レビューのタイトル。舞姫と羅生門に共通すること。私には分かりません。第1章からきっちり読んで考えてみてください。ついでに言うと舞姫も読んだことはありません。森鴎外に会ったことすらありません。