評価:★★★★☆ 4.1
姉だから
長女だから
頑張ってきた
―――頑張ることを求められてきたから
――――それが、当たり前だったからでも、求められなくなるなんて、思いもしなかった
ずっと、ずっと、そう育つように言われてきたから
長女たれ、家の為に在れ
そういわれてきたから私の存在理由は、それしかなかった
なくなるなんて、思いもしなかった
私は、家族の為、家の為、妹の為に生きてきた
そう在れと、言われたからそれがなくなるなんて、思いもしなかった
話数:全118話
ジャンル:異世界恋愛
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:じれじれ
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
とても辛いです。本当に悲しくて悲しくて、でも頑張ってるのを知っているからこそなんとか報われて欲しい。そんな執事や使用人家庭教師達周りの思いはこのお話を読む読者の皆様が感じる思いと同じだと思います。序盤はとても辛いです。少しずつ本当に少しずつ光が射します。どうか幸せになりますようにと心から願います。きっとこれからこのお話を読む方々もそう思うでしょう。
幼い頃からの境遇から突然の環境の変化に対して主人公であるヘレンへの影響が生々しく、とても辛かったですが、読み進めるごとに引きつけられました。 ヘレン自身が家族に求めるものと、家族がヘレンに与えた愛情のすれ違いや、弟に対して自分の時と違う親の対応に戸惑うところにも、各々の人間らしさを感じました。 家族も決してヘレンを愛していない訳ではないのに、ヘレンも愛されているはずなのに! いつかヘレンが本当に求めていたものを手にすることができるようにと、私は読むたびに思いました。 内容は鬱よりかと思いますが、とても続きの気になる作品ですので、ぜひにと思います。
どんなに麗しい花を咲かせる種も、土が無ければ育たないのだ。土があってこそ花は咲くのだどんなに麗しい花を咲かせても、それを誰かが見留めねば価値はないのだ。価値は周りの者が下すからだ麗しい花となるために手を尽くし、体に鞭打ち進んできた「己を見てくれ」と。「こんなにも頑張ったのだ」としかして返ってくるのは「まだ足りぬ」だった。「努力を見ろ」と、陰口を聞かされもした花はついに折れた。手折られ、踏みにじられ――とうとう花は逃げ出した花が自ら動く「初めての我儘」―あるいは自分の意見―がこれとは、花の気持ちは如何ばかりか花が逃れた先に、認め(見留め)てくれる者が居ることを願う皆様も褒めて、怒って、たまには喧嘩して。心を見ることを、心を見せることをお忘れのなきよう…私たちが思ったより心は複雑で、分かりにくいものですから…
人を育てるのは確かに難しいことだろうとは思うのですが…ヘレンの両親は1度子を傷つけたことから、反省、後悔していることは分かるのです。でも、ヘレンの教育はこうしたからこうすべきではなかったのだろうと極端に自分達の考えだけで決めるのではなく周囲の意見を取り入れるべきですね。特にこの人達の場合は。ヘレンに救いがあることを願います…