評価:★★★★★ 4.5

雨に濡れながら、一緒にご飯を食べてくれる誰かが現れるのを、ずっと待っていた。

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「中学3年生の時から6年間、ずっと好きだった女の子がいる。君にストーカーを手伝ってほしい。その子の日記を盗み見てほしいんだ」

「……えっと、話しかける相手、私で合ってる?」

「君は、透明人間になれるんだろ」

大学三年生の男子、千笠優(ちがさゆう)からの突然の要求に対し。
孤独な美少女、神田桜(かんださくら)は拒絶を示していたが、1年の時を経て彼の願いを聞き届けることに同意する。

ストーカー決行の最終日。
想い人の家への侵入に成功した後の帰り道、桜の悪意を感じ取った優は激怒する。
彼女の弁明も聞き入れず、一方的に距離を置いた。
雨に隠されていた、もう一つの物語があるとも知らずに。

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大学なんて、ずっと辞めたかった。
人が集まれば集まるほど、自分の孤独が浮き彫りになった。
膨大に与えられた時間は、全て後悔と自己嫌悪に費やされた。
授業中も、昼休みも、放課後も。あるいは、大勢の誰かに囲まれている時でさえ。
ずっと、独りぼっちで。死んでしまいたかった。
そういう。
誰とも結ばれなかった過去のおかげで、会うべき人と巡り会えたのだとしたら。
絶望した過去が、運命の人との仲人だった。

「透明になるにはね、重大な副作用が伴うの」

雨が降り続く人生に、てるてるぼうずを吊るして祈る。

あしたてんきに、なあれ。


話数:全51話
ジャンル: 

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族
  • 未登録

時代:
舞台:未登録
展開:未登録

その他要素
注意: