夢と花

悪魔と契約結婚して夢の国で暮らしたい夢魔の少女アリス。
夢魔と契約して魂を奪いたい悪魔の少年テヒルが織りなす夢想譚。

「夢の花を二人で咲かせましょう」
そう取り交わした二人（いや二匹）は、種族が迫害される人間世界で細々と学園生活を続けていた。そんな折、二匹の前に現れた女学生。

「わたしの失くしものをさがしてほしいの」
テヒルは契約の依頼を受け、彼女のさがしものを捜そうとするが、
「失くしたものがなにかはわからないの。だってソレはわたしからなくなったものだから失くしものでしょ？」

見当もつかない失くしものをあてもなく探すにつれ浮かび上がる真相とは？

そして、
「君は明晰にならないといけない」
夢と現が混淆としはじめ、
「失われた契約書を見つけ出してほしい。それが退社の交換条件だ」
悪魔と種族たちが暗躍しはじめる。

すべての線が一本の糸と糾えるとき――アリスとテヒルが目撃するものは、果たして夢か真か？