コンセプトは『境遇(めぐりあわせ)』です。
この作品は事件を捜査する側の刑事の家族・家庭を題材に描いたものであります。子供を授かる事が出来ない刑事の夫婦(石原憲司 と 道子)。同じ署内の事務員(沢村弘子)。弘子の夫の不慮の死。弘子には生まれて間もない「亮」が居た。支えを失ってしまった弘子。仕方無く亮を憲司夫婦の「養子」に出す。亮は憲司と道子の愛情を一心に浴び育って行く。酒とパチンコが好きな憲司。道子はそんな憲司に愛想を尽かし、ある日、亮を憲司の職場に迎えにやる。そこで5年ぶりに弘子は亮と再会する。憲司の仕事に興味を抱く亮。弘子は「刑事の仕事」を教えてあげる。幼い亮にはまだ理解出来ない。成長してゆく亮。憲司の仕事が少しずつ分かって来る。その頃、亮は母(道子)の持病を知ってしまう。二言目には自分の命の短さを亮に語る道子。中学生に成ったある夜、亮は反抗期の最中、あやまって憲司の脚を包丁で刺してしまう。家を飛び出し雨の夜の街をさ迷う亮。そこで弘子と再び出会う。弘子は何処となく様子のおかしい亮を感じ取る。数日して、家に戻って来る亮。憲司は厳しく優しく叱って亮を受け入れる。亮が高校生に成りこれからという時、道子は亡くなってしまう。生前、道子は病床で、弘子に亮と憲司の後(のち)の事を託してゆく。そんな時、憲司の周りで大事件が(少年連続殺人事件 警察庁広域重要指定事件000号)。加害者は亮と同じ17歳の混血少年(朝鮮戦争・米兵の落とし子)。3人もの命を奪った少年は憲司に逮捕される。身寄りの無い混血の少年。憲司は取調室でこの少年の境遇と亮のそれとが重なり合って行く。あの時、自分の脚を刺した亮に話しかけるように、厳しく優しく諭して行く。少年の最後に流す反省と後悔の涙。
ある日、亮は亡き母(道子)の実家から久しぶりに自宅に戻って来る。道子の祭壇に献げられた一輪の花。その花は道子の好だった「トルコ桔梗」。
憲司は道子の召された一年後に再婚する。その相手は、あの「沢村弘子」であった。
「運命の不思議」。このドラマは、1人の刑事の家族をテーマとしたヒューマンドキュメンタリードラマであります。 (2014年作品)
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