評価:★★☆☆☆ 1.5

平成最後の夏、高校三年生の槙村湊(まきむらみなと)は、大好きだった祖父を亡くした。あまりにも突然のことで唖然とするが、現実は立ち止まってはくれない。心の整理がつけられないまま執り行われた葬儀の場で、湊は自分と同じ年頃の青年を見かける。祖父の友人にしては年が若すぎる。彼は、一体何者なのか。
葬儀の数日後、遺品整理をしている中で、祖父には愛人と、その子供がいたことが判明する。祖父の娘であるところの湊の母は困惑するが、妻である祖母は平然とその事実を受け入れ、愛人とその子供を家に招待する。そこで、湊は葬儀の場に来ていた青年と再会をすることになる。彼は祖父の愛人の一人息子であった。
青山千翼(あおやまちひろ)と名乗った二十歳の青年は、祖父に似て、明るく、自由奔放な人物であった。
湊は、顔こそ祖父の生き写しと言われるほどであったが、その性格は大人しく、真面目で、祖父とは正反対である。
湊は、大好きだった祖父の息子であり、性格も祖父に似て溌剌としている千翼が羨ましい。対する千翼も、亡き父に、孫としてとても可愛がられていた湊が羨ましい。
大好きな人を失った悲しみや、寂しさを抱えながら、それをどう乗り越えていくか、補っていくか。想い出を、どう整理して、抱きしめていくか。
祖父の死をきっかけに、一緒に過ごす時間が多くなった二人は、それぞれの役割を考え、死について、そして生きることについて考え、未来について考える。
血の繋がりの織りなす、縁を見つめる物語。前編(後編にて完結済み)


話数:全1話

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族
  • 未登録

時代:
舞台:未登録
雰囲気:

その他要素