評価:★★★★☆ 4
(閲覧に注意が必要な作品です
不幸や陰惨な描写が多く、完結してますが解決したとは微妙に言えず読むのに注意が必要な作品です。あなたの気分を大変損ねてしまうおそれがあります)ベアトリーチェは旅立つ。自分を思いやってくれた親友も愛されること
を望んだ思い人をも捨てて。
忘れえぬ辛い記憶と思い人から向けられた冷たい瞳から逃げ出すために。
髪を切り、少年の服を着て、思い出の魔笛を携えて。そして作者は書いている作品がまったく出来上がらないので、適当な
プロットを見切り発車という暴挙に出た。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:中世
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
本作は、一人の薄幸の少女がすべてを取り戻すまでの物語である。物語の半ばまで、主人公がたどる半生は不幸なものであり、誰しもが同じ境遇に置かれたら耐えられないほどのものである。だが、主人公は誰も恨まないし、誰も憎まない。心の底から善良で、正直で、優しさを忘れず、希望を捨てずに苦難を受け止めていく。だからこそ、誰よりも聖女に近いからこそ、酷く貶められ、嘲られ、墜とされる。美しいからこそ、汚されるのだ。まさに逆説としか言い様のない展開が続き、そこから少女が別の場所で少しずつ新しい自分を獲得していく姿が描かれていく。それでも彼女にまとわりつく呪いのような逆境も、最後には祓われていくが、そこまでのあいだに読者が抱えるストレスは相当なものになるはずである。しかし、最後には全てが取り戻される。主人公の笑顔の力で。そこに行き着くのまでの作者の力量は本当に素晴らしいものがあるといえよう。