流れ星 完結日:2012年2月17日 作者:景雪 評価:★★★★☆ 4.4リチャードはアメリカ西海岸で暮らす、90を超えた老人。ある日、孫のマイクが、まだ父親のエドワードにも紹介していない日本人のフィアンセを連れて来る。マイクが真っ先に彼女を紹介しようとしたのは、リチャードがかつての戦争で、日本人と戦った経験を持っているからだった―― 話数:全11話 ジャンル:その他 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 アッツ島 仲間 実話 戦争 玉砕 軍医 辰口信夫 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
キーワード「アッツ島」で検索し、偶然発見した作品である。一件しかヒットしなかった。が、この一件が素晴らしかった。アメリカ人の目線で、戦前から戦中にかけて、日本人との交流を軸に語られる。偏った思想を感じさせないので非常に読みやすい。また、軍事モノだが事前知識は不要。アッツ島がどこにあるかなんて知らなくても読める易しい作品である。作品を読み終えた後、興味があればアッツ玉砕戦を調べてみると良いかも知れない。素晴らしい作品を公開してくださっている作者さまに感謝したい。
90の齢を重ねるリチャードは、孫のマイクの訪問を受ける。それは過去と未来を繋ぐ一つの切っ掛けとなる。日米のあの激しい戦争から70年は過ぎました。過去に何があったのか、今どの様な想いを体験した彼らは感じたのだろうか。丁寧に置かれた文字が、重厚なレンガの様に在りし日を感じさせてくれます。あのアッツ島の凄まじき戦いを。そこにあった友情の邂逅を。最後のシーンでは、きっとあなたの胸にも、彼と同じ情景が浮かぶのではないでしょうか。珠玉の文学作品が、ここに在ります。