僕とぼっちな彼女達 完結日:2014年7月18日 作者:中高下零郎 評価:★★★★☆ 4.2みんな大好き、可愛いけどぼっちな女の子を次々落としていく王道ラブストーリー。 話数:全107話 ジャンル:恋愛 現実世界恋愛 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:学園 雰囲気:ダーク 展開:未登録 その他要素 イジメ ボッチ メンヘラ 中二病 僕っ娘 小学生 文学少女 知的障害 社会問題 注意:R15 なろうで小説を読む
凄く、とにかく凄く考えさせられた。読了感というか、余韻が半端ない。様々な問題を抱えてボッチになった女の子を主人公が助けていくという話なんだけど、その主人公の行動が裏目に出たり、もうとにかくすごい。すごいとしか言えない。 基本文体は一人称で、描写は主人公の心情に寄ったもの。文体は軽めで簡単な言葉ばかり。なのに深い。単純な文章なのに、とにかく頭を殴られるような衝撃に襲われる。リアルな人間がこの作品の中にいる。
最終章に入ってから大人になるという事についての描写が多かった気がします。学生の私が目を逸らそうとしている事だったので、考えながら読ませて頂きました 私は小さい頃のあたるくんの行動原理が理解できませんでした。ぼっちな女の子や、悲しい境遇の女の子を放って置けないあたるくんは、その子達を助ける事に損得感情を介入させずに行動してきました。ただ、徐々に大人になるにつれその事を意識し始めましたね。ここが素晴らしかったと思います。あたるくんが作品の中で少しずつ、少しずつ周りの事を気にしてしまう大人になっていく姿を見て、胸を締め付けるような感覚に陥りましたそしてあたるくんを少し理解できるようになりました あたるくん以外のキャラクターにも、作中での成長や変化が見られ、「作者様の頭の中にはちゃんとキャラクターのイメージがあるんだろうなあ笑」などと考えておりました最後に感謝の言葉を熱盛
この物語は、主人公の少年が様々な事情を抱えた少女たちと出会い、成長していく物語です。この物語では主人公の成長していく姿をとらえることができます。女性比率の多い作品によくある主人公に周りの女性たちがアプローチするラブコメ話が無く、また完全に主人公の一人称で書かれているので主人公の感情や考え方をよくとらえることができました。そしてこの主人公、人間なので失敗もします。そして落ち込みます。その失敗もなあなあで終わらせず、主人公なりの結論を出して復帰するところも素晴らしいと思いました。これは物語全体を通して言えます。主人公は出会った少女たちの事情を聞き、悩み、答えを出して人間的に成長します。それは主人公の出会う人物たちも同じです。主人公の成長と共に成長していき、考え方も変わっていきます。主人公とその周りの人間関係の変化が楽しめる作品です。
私達は社会の中で生きていて、沢山のことから目を背けている。そのことに気付く人もいるし、気付かない人もいるだろう。そして多分、気付いても気付かなかったことにする人が一番多いのだ。きっと、そんな私達こそ、この小説に触れるべきなのだ。主人公は、知的障碍者の少女と触れ合うことから、世の中の、自分の汚さに気づき始める。それでも彼は、自分ができることをして、虐げられる人のそばに在ろうとする。彼が動くことで、人が傷つくことがある。彼自身も時には傷つく。でも、彼の力で心を持ち直した人もいる。救われている人もいる。彼がしていることが正しいか、私にはわからない。彼自身も、自分のしていることが正しいとは感じていない時もある。それでも、彼は戦っている。自分の中で、社会の中で。自分がどう在るべきなのか、考え続けている。それは大切で、確たる事実。私達は、彼の心の内から、自分達の汚さに目を向けられるかもしれない。