彼女の音が聞こえる (改訂版) 完結日:2015年7月9日 作者:孤独堂 評価:★★★★☆ 4.3早朝の川原で出会った高校生の男女の普通に綺麗な話を書きたいなと思い書き始めましたが、彼女には秘密があったのです。 サブタイトルの変更と、若干の手直しを行いました。 また時系列に合わせて、番外編五つを前に置きましたが、こちらは読まなくても、本編になんら支障はありません。 話数:全31話 ジャンル:恋愛 現実世界恋愛 青春 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 中学生 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 偏差値 学園 小学生 心 河原 秘密 注意:R15 なろうで小説を読む
どこにでもあるような高校生同士の甘く切ない青春恋愛物語……と思って読み進むと、……人間関係、感情の揺れ動き、社会問題までもが細かく描写されており、ただただ驚かされます!ヒロインの感情の揺れ動きにどう接していくのか……。普通に幸せなカップルになりたくて……、なれそうで……、なれないかもしれないもどかしさが……伝わってきてしまいます。実際にありそうなリアリティー溢れるこの作品、少しでも多くの方に読んで頂きたいと思い、レビューを書きました。とにかく読んで欲しい!
次々に展開していく内容に飽きる事がありません。毎回、最後が次話へ引っ張る形で終わっているので、楽しみでページを繰ってしまいます。文章力も高く、不必要・不明瞭な文字がないくらい素晴らしいです。内容も軽度発達障害を扱っていますが、普通でありながら歪な個性を実に見事に表現しています。各人物の人柄や感情変化も、とても丁寧に描かれており、至福の読書時間となりました。
番外編から通して拝読させて頂きました。この番外編、これから読み始める方は是非ここから入ってもらいたいです。すぐに引き込まれていくことかと思います。そして本編。あれ?あの始めのストーリーは何処で繋がるのだろう?と探されることかと思います。だけど本編にもすぐに引き込まれます。真っ直ぐで不器用な若者同士の甘酸っぱい恋愛に時にくすっ、と微笑んでしまう。もうこれでいいではないか、とさえ思い始める頃です。まさかの衝撃が訪れます。主人公とはまた違う形ながらも真っ直ぐな想いが起こしてしまった行動。胸の詰まる出来事も明かされます。奈々という少女は良くも悪くも最後まで正直者です。そんな彼女が過去にしたことは罪でしょうか?それとも…読む者の心に問いかけてくるでしょう。若い読者様でももちろん楽しめるとは思いますが、常識にとらわれがちな大人にこそお勧めしたい作品。文章表現は簡潔、大変読みやすいです。
この物語番外編から始まるという、とても珍しいつくりになっている中編小説です。作品紹介で作者様は番外編については読まなくても支障なし、とは書いてらっしゃいますが(あえて一読者として言わせて頂くとするなら)是非番外編から全て通して読んでいただくことを絶対にお勧めします。首題にも書かせていただいた、『衝撃的な過去』にとにかく読み手はガッツリ目を覚まさせられるわけですが、そこで受ける衝撃度が番外編を読んだか読まないかでは天地の如く違いが出てしまいます。この作品の中で描かれているのは、社会派な非常に難しいテーマなのですが、それを上手く違和感のない状態で組み込み、ヒロイン奈々を丁寧に描いていくスタイルで読んでいるうちにどんどん引き込まれます。一度読み始めたら、余程のことがない限り、読んだ人間は途中で読みやめることが出来なくなります。是非実際に読んで実感してみて下さい。
この作品の著者である孤独堂という作家の作家性の根底には社会性が読み取れる。あらゆる作品に社会への気づきを促すメッセージが込められているとぼくは感じている。勿論これも例外ではなく、ある秘密という形に変ってメッセージは読者に届けられてくる。そのメッセージは奈々というありのままに生きる少女に託されている。著者の作家性を支えるもう一つの力が素直な文体にあるとぼくは感じている。番外編では素直な文体に秀逸な描写が加わり明らかに映像媒体からの影響が文章を昇華させた様子が伺える。率直な基本に、応用の技巧。それらが背景、心理などの描写にいかされ生き生きとした物語を生み出している。レビューとは特定の対象についての批評・概観・報告・意見などを表わすが、ぼくの最初の報告は孤独堂という作家についてとなりました。意見としては読みやすいので読んで頂き、メッセージを受け取って頂けたらと願います。