施餓鬼会 完結日:2015年7月23日 作者:霜月透子 評価:★★★★☆ 4.2夏休みの小学校。図書室解放のため当番になった私は娘を連れて学校に行く。そこへ女の子がやってきて――。 ※カクヨムにて重複投稿。 話数:全4話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 図書室 夏ホラー七不思議 学園 母 注意:残酷な描写あり なろうで小説を読む
子どもは無邪気で、時に残酷なまでに正直だ。欲しいものは我慢できず、手に入れるために手段は選ばない。ひっくり返って手足をばたつかせるうちは可愛いものだ。奇声をあげ、涙を流し、なんとかしてこちらの気を引こうとする。それでも欲しいものが手に入らぬとしたら、一体どうするだろうか。ある子どもは考えるだろう。無理やり奪って自分のものにしよう。そして別の子どもは考えるのだ。いいや、いっそのこと壊してしまおうと。諦めるなんてできやしない。大好きで、大切でかけがえのないものだからこそ、彼らは恐ろしいまでの執着を見せる。この作品を開けば、耳には騒々しいまでの蝉の声が聞こえてくる。部屋の中にいるのは可愛い我が子と見知らぬ子ども。その子どもは自分のことを仮初めに母と呼び、慕ってくるのだ。そのどこか暗い歓びに甘んじてはいけない。戯れに差し出した己の腕は、腹を空かせた子どもに喰われてしゃぶり尽くされる。