評価:★★★★☆ 3.7
時は一七一一年、処は天下の永世江戸の城下町。とれーじゃーはんたーを自称する一人の男がいた。年は十七、名を日暮風太郎と言う。
城に勤める兄のつてで将軍より天の叢雲探しを命じられる。今にも崩れそうな神社の巫女、橘立花と共に西へと進路を取るのだった。※本作品はノベルアッププラス様にて公開しています。また公募に伴い作品名を長くしてみました。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:全年齢対象
1711年、天下の永世江戸。 金髪青眼の『征夷大将軍』ピエール徳川七世の治世。 自称『とれじゃーはんたー』の日暮風太郎は、実兄のコネにより、将軍直々に大任を与えられる。 霊感を宿す『巫女』立花と共に旅立ち、全国行脚の果てに『宝』を見つけ出すのだ。 馬鹿を言え。 眼を閉じて耳を塞いで三秒考えてみろ。 意味がわからない。どこに真があるものか。 登場人物は胡乱な連中で、胡乱な話に乗っかって四方山話に精を出す。 この物語には、嘘がある。 そう思っていた筈なのに、気が付けば彼らの行く末を見守らずにはいられない。 それは、彼らが誠を持っているから。 自分らしく生きたいと願い、行動をしているから。 この人々には、美意識がある。 侍とは、剣に映る己と向き合う者。 日暮風太郎はそんなことはしない。 『とれじゃーはんたー』なのだから。 きっと、映った己に舌を出す。
時代劇風の世界観、プラスちょっと胡散臭さ。実力は確かながら自称とれじゃーはんたーを名乗るちょっと胡散臭い主人公『風太郎』と、宝物を探す力を持つというちょっと胡散臭い巫女『立花』を中心に話は廻っていきます。いわゆる諸国漫遊的な物語ですが、事の発端ともなる征夷大将軍『ピエール』や姫君『ルナ』など、一癖も二癖もある人物達が魅力的。誰一人無駄な人物はいません。皆曲者食わせ者揃いです。そんな彼らが事あるごとに絡んでくるのだから、お話も全体的に胡散臭いかもしれませんね?どうぞ愉しい永世江戸へ。
もともと筆力のある作者の、少し変わった世界観の作品キャラクターごとの個性に、さっぱりとした時代劇風のエピソードこれらの相性がとてもよく、作者の持ち味である「キャラの濃さ」も相まって極上の読後感を味わえる「小説家になろう」の場所柄「時代劇」然としたこの作品を毛嫌いするものもいるかもしれないが、ぜひ一度読んで見てほしい作品自体もさほど長いものでもなく、完結もしているので、すぐに読みきることができるだろうそして読みきったころには、主人公達のこの先に思いを馳せている筈だ