評価:★★★★☆ 4.1
時は戦国乱世の時代。
織田に仕えて、秀吉に近づき、家康に従って東軍につく。
テンプレを生きようとして、開始前にその致命的問題点をつかれた転生者。
あきらめて平穏な生活を求めた矢先、彼の望みは(一部)かなう事になる。殿は脳筋。領土は問題だらけ。大殿からは無理難題。
戦には出ず、年貢納入と、補給物資管理に悲鳴を上げる男。三直 豊利(みのう とよとし)
ソロバン片手に、文句をたれつつ(数字と)戦う男の物語である。
※一騎当千や戦国無双な話は出てきません。
PS.初投稿です。投稿内容は、作者の独断と偏見により、歴史的事実と異なる場合があります。大目に見てください。
※2015年10月10日に書籍化しました。
話数:全137話
ジャンル:歴史
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:戦国時代
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
「内政無双」そんな言葉が使われるようになり、多くの主人公が現代日本的知識を扱い他国を運営面から出し抜こうとしてきた。本作はそんな内政無双の粋を結集した物語。有能であるが故に無茶を言われ、勤勉であるが故に無茶を成し遂げてしまう。戦国という、日本史上で最も乱暴であった時代においてどんぶり勘定を一切許さず、自転車操業を是とせず、次の戦の為、後の世の為、そして家族の為、算盤を武器に常識と戦う男三直 豊利(みのう とよとし)彼が時に意図的に、時に無意識に行った会計処理はやがて桁外れの効果を生み出し天下を動かす。動き出した天下は一体どう着地するのか最後の選択を前に、会計の申し子が出した結論は?最終話まで乾坤一擲、計算し尽くされた物語がここにある。
三直豊利! 天下の織田信長に、面白いと感嘆させた男です。「猿には孔明が付いた。では、あれは犬の士元になれるか」 凄く期待の篭った言葉ですが、あだ名をつける名人の信長に「饅頭」と呼ばれます。「20歳を前に、オレの頭は風を感じる事ができるという事だ」 気の毒キャラなのに、凄く優秀! このギャップがたまりません。 信長に犬と呼ばれる前田利家に仕えますが、この殿様が全くの脳筋! 荒子城を貰っても、全く管理できません。「うちの殿。マジで脳筋。俺の役職とか権限とか考えなし。紹介状とかも用意なし。オレ、このまま荒子城行ったら不審者として殺されるんじゃね?」 初仕事から、饅頭の仕事はデスマーチ! 検地に年貢、その上一向衆まで解決しちゃいます。 どんどん前田利家が出世するにつけて、デスマーチは加速し、ただの饅頭ではなくなります。 一度読み出したら、ノンストップ!
読み易い文体です。戦国時代が好きな人には、うけるでしょう。ちなみに、私は上杉家が一番好きです。ところで、上杉家は忠臣蔵の吉良上野介と深い関わりがあるのはご存知でしょうか?上野介の長男(綱憲)が米沢藩(藩主は上杉氏)第四代藩主で、第五代藩主(吉憲)は上野介の孫です。さらに、上野介は綱憲の次男(左兵衛)を養子にもらい、家督を譲っています。凄い関係ですね(^^;
歴史物というと、肩に力が入ってしまいがちですがこれは軽く読める快作です。ただ、そのライトさが軽佻ではなく軽妙洒脱な文体になっているところが人気の秘密だと思います。1話1話はとても短いですが、読み終わったあとにしっかりとあとに残るものがある。頭に風を感じる主人公が酷い目に合うドタバタコメディーとして笑って読むこともできるし転生主人公が戦国の時代に兵站革命を巻き起こす内政ロマンとして読むこともできます。万人にオススメできる面白いライトノベルです。
まずは読みやすさがとても高ポイントだと思います。主人公の名脇役ぶり?に大変だなぁと思いつつも転生物としてはとても優秀な作品だと感じました。戦国時代が好きな人には大ウケする作品ではないでしょうか?私は読みながらこの作品は好きだなぁと思いました。この切り口の歴史物も珍しい分類なので皆様にとってもお勧め致します。