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あたし、犬塚美夜(いぬつか みや)は繰り返し同じ夢をみていた。
乾いた赤土色の大地に、同じ色の石柱群。黒い雲の隙間から覗く、蒼い月の光。
自分の知らない場所で黒い翼を持つ男性と戦う夢。戦うあたしの姿は人間だけど、人間ではない。獣の耳に、獣の尾。鋭い爪に、鋭い牙。という異形の姿をしている。
その夢の高揚感は凄まじく、夢から覚めてもその興奮を覚えているほどだ。時折、自分が夢のなかの獣のような女性ではないかと錯覚してしまうほどに。
そんな夢への想いは、日に日に強くなってしまう。
黒い翼の男性とよく似た、美術教師の神志那紫苑(かみしな しおん)先生に対する憧れと共に……。夢以外は何もない穏やかで楽しい日常。幼馴染みがいて、憧れの人も近くにいる。
だけど、あの娘があたしの前に現れたことで日常は一変してしまう。金色の髪を揺らし、彼女は微笑む。お人形のような可愛らしい笑顔で。
※エブリスタにも掲載しています。
作品舞台として異世界が出てきますが、異世界転移とも異世界転生とも違うんですよね……。
ジャンルもどれにしたらよいのやら。
一応、恋愛もののつもりで書いています。
時代:未登録
舞台:異世界
雰囲気:シリアス
展開:未登録