評価:★★★☆☆ 3.4
古代史を彩る、絶世の美少女をめぐる悲恋叙事詩、衣通姫(そとおりひめ)伝説。彼女に関する古事記と日本書記の記述は、なぜ食い違っているのか。その謎に迫ったある仮説を、小説にしてみました。
とある大王(おおきみ)の御代。その美貌が衣服を通してでも輝くように見えることから「衣通姫」と呼ばれる女性がいた。彼女は、禁忌を犯して、ある男性と恋に落ちる。だが、その恋はやがて、国家を揺るがす大事件へと発展していく。それは、避けられぬ運命だったのか、それとも、仕組まれた悲劇だったのか。そして、真実は封印され、伝説が残る――。
【H25.02.25 加筆修正】
※この作品は、近親相姦をテーマとして取り扱っています。閲覧には、ご注意ください。
※この作品は、古事記及び日本書紀の允恭天皇、藤原琴節郎女、木梨軽王子、軽大郎女王女に関する記述をベースに、源氏物語と伊勢物語から着想を得た架空の物語であり、史実を記載したものではありません。また、前記の作品群の一部を模倣あるいは流用している部分があります。
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時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
この作品、歴史モノの小説としては一味違います。緻密に描かれる世界観とそれを想像させる文章力。一度小説を読み始めれば、後は物語の魅力に呑まれてしまうと言っても過言ではありません。ここまでの素晴らしい作品を書かれると、作者様であるTOM-Fさんの知識や実力に相当高いものを感じずにはいられないでしょう。さらに世界観の緻密さもさることながら、登場するキャラクターたちも魅力に溢れています。二人の恋を巡って、これからどう動いていくのかも楽しみなところです。軽い作風の小説もいいですが、“本当の歴史モノの小説”を読みたい方は是非一読ください。