評価:★★★★★ 4.5
幻の大国・渤海。
その滅亡後にできた新興国・定安に生きる一人の若き貴族。貧しい彼は、いつも疎外されていた。
救いの手を差し伸べてくれる人はなく、彼自身の才能だけで、運を切り開いて行くしかなかった。激動の時代、国の存亡をかけた青年貴族の戦いと、秘められた愛。
易姓革命や、外敵・契丹との戦い、宋、高麗との同盟は果たして成功するのか?
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中国、ロシア、北朝鮮に広がっていた謎の大国・渤海。
平安時代の日本が最も親しく交流していたのは、唐ではなく渤海だった。
しかし、突如として滅亡してしまう。
その跡地には、渤海を復興しようとした人々がいた。
渤海滅亡後に存在した復興国を舞台にした物語。
実在の人物も登場しますが、架空の人物も多く登場します。作者の完全妄想小説ですので、歴史の勉強にはなりません。
話数:全20話
ジャンル:エピック・ファンタジー 歴史
時代:平安時代
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
かつて存在した大国、渤海。この国が滅んだ後に誕生した定安は、渤海の再興を掲げながら、しかし渤海の王族であった大氏とは異なる王統を戴いていた。そんな国は、様々な利害関係の上にかろうじて体裁を保っていた。やがてクーデターによって長年王位にあった烈万華王が追放されるが、代わりに王となったのはやはり大氏ではなかった。弱小国である定安を守ろうと手を尽くす者、渤海を再興し大氏を再び王に戴くために執念を燃やす者。更にはかつて渤海を滅ぼした契丹や隣国である高麗の思惑も絡み合い、情勢は複雑な推移を見せていく。渤海をテーマにした極めて珍しい舞台及び時代設定の作品です。一話辺りの文字数が多く文章もしっかりとしているので読み応えがあり、題材となることがほぼ無い渤海を舞台としているので内容にも新鮮味が強い点が魅力です。シンプルではない結末はこの作品ならではの終着点であり、非常に味わいがありました。