評価:★★★★☆ 4.3
アメリカの海兵隊にレザーネックという異名があるように、日本の海兵隊にはサムライという異名がある。明治維新後に設置された日本の海兵隊は、西南戦争で地位を確立し、その後、日清戦争等で日本のために奮戦することになる(「新選組、西南戦争へ」の事実上の続編です。そのため、登場人物や世界背景については、前作を引き継いでいます。)。
話数:全120話
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:明治
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
歴史改変物をフランス語では“uchronie(ありえない時)”と申すとか。 歴史とは大小無数の歯車の組み合わせで出来ていると私は愚考します。 一つの歯車は、噛み合う多の歯車に影響を受け、影響を与えます。 もし、歯車の一つが欠損してしまったら? もし、無かった場所に歯車が一つ追加されたら? もし、一つの歯車が違う回転をしてしまったら? 前作、『新選組、西南戦争へ』にて若干数の人物が、史実では為されなかった決断を為した結果、史実とは幾つもの齟齬が生じました。 本作では、生じた齟齬が其の後に続く大きな流れである事を、緻密な思索、堅実な推察、豊饒なる文才にて記されています。 山家先生の紡がれる物語は、“ありえない時”の物語ではなく“ありえた物語”です。 歯車は齟齬を生じさせたのではなく、誠に正しき動作の一つを為しただけなのです。 勿論其れは、歴史の“遊び”でもありますが。