評価:★★★★☆ 4.3
父も亡く内教坊育ちの貫之は文章生の道を諦め、年かさの従兄弟友則の後を追うように歌人への道を歩んだ。だが唐風文化最盛期に和歌は衰退。学者の身でありながら異例の出世を遂げる道真が大宰府に左遷されるという政変が起こる。律令制確立に動く政権は国風文化の推進と和歌復興のために、貫之ら四人の撰者に勅撰和歌集の編纂を命じた。しかし都には道真の怨霊の影が忍び寄っていた……
※作中の道真は和歌も応援する特殊設定。歴史エピソードもかなり脚色されています。古今和歌集ホメホメ小説。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:平安時代
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
古事記の編纂に当たった太安万侶は悩んでいた。記録を残すにあたって大陸からもたらされた文字を利用すれば記録は残るが日本の言葉として残らない。当時はまだカナが開発されていなかった。故に太安万侶は読みのルールを作成する羽目になった。 日本は海に囲まれた国である。古来から海を越えてやってくるものは大変めでたいものとして扱われ、文化を変えてきた。それでも日本人は日本の心を守り続けていた。かなを開発し、歌を歌い、心を歌い、大陸の言葉を換骨奪胎して自らのものにしていく。外から来る舶来のもの。内から来る四季の風に香り花に歌。外から来ることはあるが外に出ることはまずない。そんな日本の心は『空気』によって育まれていった。改革の痕を埋めるのは優しい風の香り。これは心を紡ぐ物語。ファンタジーの後始末とこれから始まる新しい希望と幻想を今宵の歌に詠みましょう。