評価:★★★★☆ 4.2
時は、西暦1860年代。
全世界で、感染すれば変態へとなり下がる謎の奇病が蔓延し、世界は闇に呑まれようとしていた。
だが、しかし!対変態用に開発されし戦装束「正装」によって、乙女の魅力を戦闘力に変えた乙女たちは、フリルとレースに彩られたロリィタ服を身にまとい、変態どもと可憐に戦ったのであった!!
そうして、フリルの乙女が変態退治をする光景が一般的となった明治の世。
これは、文明開化も声高く、ロリィタワンピースに席巻されつつある島国日本で、かたくなに着物をまとい続けた一人の乙女の物語である!
話数:全6話
ジャンル:アクション
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:明治
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
可愛いとは何か。乙女とは何か。生きざまとは何か。この物語を通して、作者はそれを世の中に問いかける。 色んな意味で、針が振り切れた作品だと思う。 細やかな服装描写は、ある種のフェティズムすら伴う。思いきった架空の明治時代の描写は、世相を映しながらも、世紀末的様相が色濃い。そして何よりも――和装に対してのとてつもない情熱と愛情が、これでもかとばかりに盛り込まれている。 趣味性が強すぎると言ってしまえば、そうなのかもしれない。けれど、自分の好きな物を好きなだけ、筆の限りを尽くして書き上げている。それはある種の清々しささえ伴い、読後に清涼感をもたらしてくれる。 白刃片手に乙女は走り、変態相手に立ち向かう。その凛たる生きざま、可憐なる艶やかさ、可愛いへのこだわりが、斬撃を加速させる。そして切り開くは、己が魅力を引き立てる最高の服装への道程に相違無い。