評価:★★★★☆ 4
これは、戦国大名島津家百五十年の人間たちの物語。
時は戦国乱世。
この物語は文明十年(一四七八年)から始まる。
室町の世から戦国乱世に移行する頃である。最初の主人公の名は、常磐。
西国一の美女と評判だった常磐は、遠く豊後の大友家や肥後からも婚姻の話が届くほどであったと言う。
常磐はいずれ一人の子供を産む。
その名は島津忠良。入道して島津日新斎。物語の主役は常磐から日新斎へ。
日新斎から貴久へ。
そして貴久から四兄弟へ移っていく。多くの者が苦悩し、怒り、涙を流し、露命を散らしていく時代。
命を、家族を、民を、そして家名を守るために戦う時代でもあった。そこには一族の絆、親子、兄弟たちの葛藤。武家の意地、誇りがあった。
これは今に失われつつある人間たちの誇りと絆の物語でもある。
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※史伝小説ではなく歴史小説です。史実を元に大幅に脚色を加えています。
※読みやすさ優先で薩摩訛りではなく標準語を基本としております。
※一話3000~8000字を心がけています。
※投稿済み話も時節見直し品質向上を図っています。ご了承くださいませ。
話数:全82話
ジャンル:エピック・ファンタジー 歴史
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:戦国時代
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
普段ファンタジーものばかり読んでて、食あたり気味になってるところにこの小説に出会いました。三人称の落ち着いた文章で、物語は進んでいきます。史実をかなり研究された上で書かれたものだと思いますが、それでいて無機質ではなく、当時の情景や人々の熱が伝わってきました。序盤は、常盤や日新斎といったなじみのない人物を主人公としていますが、人物に魅力があり、飽きることなく読み進めました。中盤からは昔読んだ歴史小説や信長の野望でもなじみのある貴久、義久、義弘が出てきてますます引き込まれました。終盤、歳をとった義久や義弘が薩摩隼人らしくない行動をすることもありやもやしましたが、総じて最後まで楽しく読ませていただきました。読み終わって改めて振り返ると、宮城谷昌光の小説の雰囲気に近かった気がします。歴史小説が好きな方には是非読んでみていただきたいです。