評価:★★★★☆ 4.2
「ぶん投げろ! ぶん殴れ! 全てはそれからだ!」
舞台は、16世紀初め――宗教改革の嵐が吹き荒れる前夜のドイツ。
慈悲も救いも一切ない、暴力と迫害の闇が世界を覆った乱世である。主人公のゲッツは、誇り高き帝国騎士の子として生まれたが、その喧嘩っ早い性格が災いして主君の元を去り、盗賊騎士タラカーの一味とつるんで諸侯や騎士相手に私闘<フェーデ>に明け暮れる日々を過ごしていた。
そんなある日、ゲッツは、私闘<フェーデ>に巻き込まれていたドロテーアという少女にひと目惚れして、彼女を助ける。その出会いが、おのれの誇りと愛をかけたゲッツの戦いの始まりだった。
ランツフートの戦場でゲッツを襲う、人生最大の衝撃。そして、絶望との闘い。
ゲッツは、かつてない試練を乗り越え、再び戦場に立つことができるのか?これは、「鉄腕ゲッツ」とあだ名されて人々に恐れられた、ある戦士の再生の物語である!
※1:ゲッツは史実の人物ですが、一部この小説オリジナルの設定(おもに父親のキリアン関連)もありますので、ご了承ください。
※2:「鉄腕ゲッツ」という人物を描くうえで、人体の欠損表現などがどうしても出て来ます。ですから、それをご了承いただいたうえで読んでください。
※3:下ネタ(および暴力的なセリフ)がたまに飛び交うのでそれが苦手な方、主人公ゲッツの巨乳趣味と相いれない方はご注意ください。
なにせ、ゲッツの有名な言葉が、「俺の尻をなめやがれ!」とお下品なので……。カクヨムでも掲載中です
話数:全50話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:中世
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
騎士と言えば、高潔で、清廉で、忠義の厚い上級戦士を思い浮かべるかもしれません。ですがゲッツは、騎士は騎士でも盗賊騎士。任侠の親分と殆ど変わりません。家来と傭兵共を従えて、あっちで悪さ。こっちで騒動。しかし性根はまっすぐです。女子供に乱暴はせず、助平で、義侠心を持つ好漢。そんなゲッツが、好き勝手に暴れまわり、挫折し、悩み、立ち上がり、そしてまた歩を進める。実在の人物を主人公に据えた歴史小説でありながら、まるで冒険活劇のような小気味よさで、時間を忘れて没頭してしまいます。あまり見かけない中世ドイツの、それも王でもなんでもない人物が焦点であるというのも、新鮮で面白いと思います。是非是非、ご一読くださいまし。