評価:★★★★☆ 4
小姓から天下人へと成り上がり者である豊臣秀吉が甥に謀殺された事件があり、将軍となった徳川信康が河内の国に大軍を率いて大坂城へと向かった。
それから、秀吉の後継者である秀頼とその継母の首を刎ねてから一月が経った時分のこと――。
阿形菊丸というみずぼらしいなりをした浪人は、あてもなくどこかへ向かう道中、狭桐の地にて、悪漢達に襲われる女の姿を見つけるのであった。
話数:全6話
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:戦国時代
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
不思議な刀を持つお侍が一人、ある理由で異様な雰囲気に陥ってしまった村へ霧と共に現れる。伝説、または寓話のような物語。少々残酷な場面も出てくるが、そのリアルさが刀や『鬼』がもつ不思議な存在感をより際立たせている。古き良き時代、夜遅めの時間にお茶の間のテレビで流れていても不思議ではないようなドラマでもあり(私の勝手なイメージですが)、映画だと言われても納得してしまいそうな程に、情緒溢れる空気感が心地良い。緻密に描き出された人物模様や情景描写が素晴らしいので、挿絵も無いのに登場人物達の顔がはっきりと浮かび上がってくる。勧善懲悪ものでもあることも手伝って、大変安心して読み進めることができる作品。