評価:★★★★★ 4.5
世界の東の端にある森に囲まれた国で、森を守り生活をするシン。
彼には誰にも知らせていない秘密があった。シンは北の森へ行き、新しい相棒と組むこととなった。
シンは新しい森で、新しい相棒ガクとともに森で生活をするが、しだいにシンの危険な秘密が明かされていく。それでもガクはシンを相棒として受け入れ続けた。
ガクの優しさのおかげで、シンは少しずつ危険な部分を克服していった。
しかし、ある日の夜シンがずっと会いたいと思っていた”兄”が迎えに来たように見える。それでシンはガクよりも兄を求めて出て行ってしまう。
森で出会ったのは兄ではなく、もっと小さな生き物で、シンのことをずっと知っているというものだった。
その出会いと、時期と、そうして魔法の帽子を相棒のガクがまとめあげ、シンはようやく自分でも覚えていなかった過去と向き合い自我を取り戻す。番外編では「お母さん編」「兄編」と違う視点から、シンの本当の過去が明らかになります。番外編まで込みで本編のシンの葛藤の意味が解るようになっています。
話数:全43話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
「物語の導入部は走っている場面や衝撃的な事件から始めよ!」よく入門書などに書かれてる言葉ですが、はたしてそれが全てでしょうか? 確かに王道ではありますがそういった“マニュアル小説”は数を読み進めるとむしろマンネリであり食傷気味にも感じます。 派手な展開こそないけれど微妙な心の揺れを少年たちの成長に乗せ、時にコミカルに、また時には切なく、まるでファンタジー版の『スタンド・バイ・ミー』のように突いてくる本作。私は更新ごと読んでおりましたが、毎回読了後に『あれ?』という不思議な『戻ってきた感』を覚えました。これは作中の『魔法』の立ち位置が絶妙なんだなと。 パソコンやスマホを開けば魔法のように小説が表示されますが当然彼らが書いてるわけでなく、その奥で人間が書いてます。登場人物たちだけでなくそんな作者の姿にまで共感を覚えるようでした。先を急がず、毎晩一話ずつじっくり読んでみるのはいかがでしょう。
あなたには大切な人はいますか? 家族、仲間、親友、かけがえのない人物。想いを巡らせれば何人かの明るい親しみの笑顔が鮮明に思い出されるはず。では、どうしてその人はあなたの大切な人になったのでしょう? 本作は自然豊かな広大な森を舞台に描かれる物語。 森を守る森守りと呼ばれる主人公二人に案内され、あなたはこの世界に広がる森を存分に味わうことができるでしょう。そして始めはぎこちない二人の関係が時が経つにつれて変化を見せ始めた時、あなたは彼らから目が離せなくなっているはずです。 森を守り、森に活かされる彼らの姿は、おそらくあなたに思いがけない学びや気づきを与えることになるでしょう。そしてそれがあなたにとって刺激的でページをめくる楽しみを与えてくれるものであることを本編完結まで夢中で読み進めた読者の一人として保証いたします。 大切な人が本当に大切になった瞬間、あなたは思い出せますか?