評価:★★★★★ 4.5
女性が働けるようになっても、まだまだ男性社会の中、エイミーは巡査として日々邁進していた。女だからと言われないように、そしていつか、男勝りに呆れて姿を眩ませた母を見返せるように。
雪の積り始めたある日に、彼女は見かけない男を保護した。
男のもたらした『魔法』をきっかけに、彼女の過去が動く。
話数:全52話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
エミリーは、偶然出会ったトーキィという男によってエイリオという存在に『書き換えられて』しまう。そのトーキィを追っているフラムという修書士と出会い、『彼』の物語が動き出す――というのがあらすじである。この作品の肝は、主人公をはじめとした人物たちの機微な感情が豊かな表現で描写されていることである。エイリオやフラムは素直な性格ではなく、彼らの会話の中で面白い皮肉やひねくれた感情を読み取ることができる。読んでいて飽きることはないだろう。ストーリーは、はじめは戸惑うかもしれないが、後半になると何故このような進め方にしたのかが腑に落ちる筈だ。読んでいて飽きさせない展開は流石である。そして、『エミリー』の過去に触れる場面で、「彼女の声はあの人に聞こえるほど大きくはなく、あの人の言葉は彼女をここに居させるには強くなかった」と個人的に思ってしまった。その結末は、素晴らしい本編で楽しんでほしい。