評価:★★★★☆ 4.2
13世紀の中世ヨーロッパで変人君主として知られる神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ2世。教皇には逆らうわイスラムとは友達になるわ内政に外交で大活躍。ただし女になってます。神聖じゃない認定受けてる皇帝フリードリヒ2世ことフレデリカさん。立ちはだかる最恐の教皇(ラスボス)。強敵と書いてズっ友なイスラム君主。ファンクラブと化した部下達。様々な人と関わりながらフレデリカの生涯を追う。
※フリードリヒ2世のエピソードをTSさせた上にコメディ調で語られます。人物の発言、思考などは必ずしも史実とは一致しないフィクションで時代的に変なものが混じっています。
※言語や名詞、個人名などに時代や国のブレがありますが、現代語に意訳されています。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:中世
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
神聖ローマ帝国皇帝にして「一人ルネッサンス」と度々言われる変人、フリードリヒ2世。そんな彼を彼女――萌え擬人化キャラ・フレデリカさんに変換して綴られる中世ヨーロッパ史。史実からカオスにデフォルメされた本編に加え、これまたカオスなIFのおまけ付き!三国志のパロディ・架空戦記動画などでは正史や演義の武将のエピソードやそれらの違いなどを理解・解釈し、「確かに記述通りだけどなんかおかしい」カオスなキャラクターへと再変換されている状況を頻繁に見かける。本作も明らかにそれらと同類で、筆者のような何も知らない人間でも面白おかしくフリードリヒ2世の強烈な人生を学ぶことができる。フレさんの可愛いさ、力技極まる『女性同士で子を成す方法』、あと餅。史実から斜め上の変換が為されている本編だが、あくまでも史実通りなので時の流れには逆らえない。そこに歴史小説の持つ悲哀とIFが映える理由が垣間見える。
「異世界から帰ったら江戸なのである」であるの作者さんの作品です。この方の作品は大胆というか破天荒というか、とにかくむちゃくちゃではあるのですが、その無茶苦茶なノリで実在の、しかも我々に馴染みの浅い中世ヨーロッパの大河的なものを取り扱ったというのは大胆極まりないとあらすじを読んだ時点で衝撃を受けました。 評価は――思いっきり二分されると思います。 歴史小説にはありがちなことですが、説明文が長い。それを冗長と捉えるか、読者への配慮と捉えるかは、読み手次第でしょう。 まあとにかく本当の意味で「挑戦的」な作品というのはこういうものと言えるでしょう。それこそ「なろう」でなくては書けない、そんな作品だと思います。 後日談の説明など、やはり蛇足ではないかと思われる描写も数多くありますが、とくに大胆な題材を書きたい、と思われる方については、賛否は別として一読なさることをお勧めします。