評価:★★★☆☆ 2.5
「書棚を見せてもろうてもよろしいか。勿論触ったりせんよって」
高価で貴重な書を繙かせてもらえるとはさすがに思わないが、学で身を立てているというこの男がどんな書を揃えているのか。書を好む者なら、せめてそれだけでも知りたいと思うのが人情だろう。
少し間があった。
「題簽を眺めて意味があるか」
言葉に刀身の閃きを観たような気がした。ぞくりと、背を何かが走る。
男は真っ直ぐに源佐を見据えている。
「書は珍しい玉や色鮮やかな鳥とは違う。眺めて有難がるのは時間の無駄だ。やめておけ」☆
江戸初期の儒学者・神道家、山崎闇斎(1619-1682)の生誕から400年になるのを記念して、ささやかなお祝い冊子を作成しました。本作はその中の一作で、山崎闇斎とその向かいに住む儒者、伊藤仁斎を描く創作歴史小説です。読んで頂ければ幸いです。
BOOTHの公開ページはこちらです。冊子(有償)とDL配布(無償)を公開しています。
https://fukahiro.booth.pm/items/1478695
参考文献をこちらにアップしました。
https://ncode.syosetu.com/n3532fz/36/【登場人物】
伊藤源佐 市井の儒者。号は仁斎。その学は古義学と呼ばれる。
伊藤源蔵 源佐の長男。号は東涯。
板垣民部 板垣民部信直。下御霊神社神主、闇斎門人。後に出雲路と改姓、出雲路信直と名乗る。父は元専。
浅見安正 山崎闇斎の門人。号は絅斎。
山崎闇斎 儒者・神道家。名は嘉右衛門。その門流は崎門と呼ばれる。垂加神道の創始者。
話数:全17話
ジャンル:歴史
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:江戸
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象