評価:★★★☆☆ 3

 時は平安時代。
 主人公の「鬼蜘蛛」は、胡蝶という異能を持つ少女に喚び出された、寺の釣鐘ほどもある巨大な蜘蛛の鬼神です。
 胡蝶は因幡国の山間にある部落で生まれ育ち、十六歳で成人すると京へ上りました。異能を持つ「異人」が出稼ぎをしないと、故郷の人々はたちまち飢えてしまうからです。
 鬼蜘蛛と胡蝶は蓮台野ちかくに建てられた異人の隠れ屋敷に住み、「尉(じょう)」と名乗る老公家が斡旋する仕事をしておりました。尉はかつて殿上人でしたが、摂関家(藤原氏)との政争に敗れて落魄し、以来、後ろ暗い仕事の元締めをするようになったのです。
 巨大な鬼蜘蛛と美しい胡蝶は尉から「つちぐも」と名付けられ、盗みや誘拐、暗殺などを押し付けられていました。
 ある日、つちぐもは名高い武人、源頼光の暗殺を指示されます。胡蝶は看病のための侍女として屋敷に忍び込み、鬼蜘蛛は天井裏に潜みました。胡蝶は薬と偽って、毎日少量の毒を盛っていましたが、いつしか頼光に思慕の情を抱いてしまいます。
 けっして結ばれない相手に恋した胡蝶、主人の身を案じる鬼神・鬼蜘蛛。ひょんなことから頼光の右腕、渡辺綱により正体がばれてしまい、主従は逃げ出しますが……。

※ この物語は、能や歌舞伎で有名な「土蜘蛛」を元にしています。
※ この作品はエブリスタにも掲載されています。 https://estar.jp/novels/25356523
※ この作品は、「なでしこの花」の続編(前日譚)にあたります。 https://ncode.syosetu.com/n4007fx/


話数:全7話
ジャンル:

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族
  • 未登録

時代:
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

注意:全年齢対象